フィンランドの連立与党第1党の社会民主党は8日、先週辞任したアンティ・リンネ前首相の後任者を決める投票を実施し、サンナ・マリン前運輸・通信相が当選した。マリン氏は34歳。同国で史上最年少の首相であり、3人目の女性首相となる。
『ロイター通信』『AFP通信』などの報道によると、リンネ前首相は3日、郵政改革案に反対する大規模ストへの対応をめぐり、連立政権の一角を占める中央党から不信任を突きつけられて辞任した。8日の後任者を選ぶ社会民主党の投票は接戦となり、マリン氏が、2位となった同党の議会グループ議長アンティ・リンドマン氏に、僅差をつけて勝利した。
マリン氏は34歳で、同国史上最年少の首相になるとともに、現在35歳のウクライナのオレクシー・ホンチャルク首相を抜いて、世界で最年少の国家指導者となる。...
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『ロイター通信』『AFP通信』などの報道によると、リンネ前首相は3日、郵政改革案に反対する大規模ストへの対応をめぐり、連立政権の一角を占める中央党から不信任を突きつけられて辞任した。8日の後任者を選ぶ社会民主党の投票は接戦となり、マリン氏が、2位となった同党の議会グループ議長アンティ・リンドマン氏に、僅差をつけて勝利した。
マリン氏は34歳で、同国史上最年少の首相になるとともに、現在35歳のウクライナのオレクシー・ホンチャルク首相を抜いて、世界で最年少の国家指導者となる。マリン氏は8日、年齢について質問した記者団に対し、「我々には、信頼を回復するための仕事が山ほどある。」と述べ、「私は自分の年齢や性別について考えたことはない。私は政界に入った理由や、我々が有権者の信頼を勝ち取ったことについて考えている。」と応じた。マリン氏は27歳で出身地のタンペレ市の市議会議長となり、その後政界を駆け上がった。
社会民主党は、中央党による前政権が景気後退から脱しようとして導入し、数年間にわたった緊縮財政を終了させると公約し、4月の総選挙で勝利した。リンネ前首相は、出身の社会民主党など中道左派5党による連立政権を6月から率いてきた。
フィンランドの郵便事業体は11月、大規模スト発生後、郵政改革の計画を撤回したが、リンネ氏が以前、700人の郵便局職員の所属変更と賃金削減を承認したか否かについて疑念が噴出し、中央党が12月2日に不信任を宣言、リンネ氏は翌日辞任に追い込まれた。
フィンランドでは、国家元首の大統領は直接選挙で選ばれるが、首相は議会によって選出され、大統領が任命する。マリン氏は、近日中に正式に首相に就任する見込みだが、首相交代は、同国にとって重要な時期に重なる。フィンランドは年末まで輪番の欧州連合理事会議長国を務めており、域内の新たな予算を決める中心的な役割を果たさねばならない。
マリン氏が首相に任命されても、社会民主党中心の連立政権の政策が大きく変更されることはないとみられる。同政権はカーボンニュートラル達成など気候変動対策を重視しており、同氏は「我々は連立政権を結びつける政権公約を共有している」と述べた。連立政権の社会民主党以外の4党の党首は全て女性で、3人がマリン氏と同じ30代だという。
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