中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は5日、米連邦通信委員会(FCC)が同社を安全保障上の脅威に指定したことを不服として、米南部ルイジアナ州・ニューオーリンズの連邦控訴裁判所に提訴したことを発表した。
『ロイター通信』や米
『CNN』などによると、FCCは11月、同社とZTE(中興通訊)を国家安全保障上のリスクと指定することを全会一致で決定した。この決定により、米国の地方の通信業者は、2社からの機器購入などに政府補助金の使用ができなくなる。
FCCは、同社の中国政府とのつながりや、中国軍の軍事機器への関わりを問題視しており、政府の諜報活動を支援するよう企業に求める同国の法律が、米国の国家安全保障上のリスクを惹起すると主張している。...
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『ロイター通信』や米
『CNN』などによると、FCCは11月、同社とZTE(中興通訊)を国家安全保障上のリスクと指定することを全会一致で決定した。この決定により、米国の地方の通信業者は、2社からの機器購入などに政府補助金の使用ができなくなる。
FCCは、同社の中国政府とのつながりや、中国軍の軍事機器への関わりを問題視しており、政府の諜報活動を支援するよう企業に求める同国の法律が、米国の国家安全保障上のリスクを惹起すると主張している。FCCはまた、米通信業者らに、既存のネットワークからファーウェイとZTEの製品を排除・交換することを義務付ける提案も承認した。
ファーウェイは5日、FCCの決定を不当として米ニューオーリンズの第5巡回区控訴裁判所に提訴した。 同社の宋柳平(Song Liuping)最高法務責任者(CLO)は、中国・深圳の本社で会見し、「ファーウェイのような企業を、ただ中国発祥であることを理由に排除するのは、サイバーセキュリティー上の課題を解決することにならない。」と述べた。
宋氏はさらに、FCCはファーウェイが安全保障上の脅威との証拠を示しておらず、「この決定は、5月のエンティティーリストと同様に、安全保障上ではなく、政治上の理由に基づくものだ。」と指摘した。米商務省は今年5月、ファーウェイと関連企業68社を国家安全保障上の懸念として、輸出規制対象の「エンティティーリスト」に加えた。これにより、米企業は同社に対し、特別な許可なく製品やサービスを供給することが禁止された。
ファーウェイは、FCCの決定は米国の地方での接続性向上を脅かし、数億ドルのコストがかかる上に、小規模通信業者を倒産に追い込むことにもなると警告した。また、地方の通信業者などが、FCCの決定に90のコメントを寄せたが、58%が反対していると述べた。
トランプ米大統領は、英ロンドンで今週行われた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、中国製の機器を第5世代移動通信システム(5G)のネットワークで使用することは「安全保障上のリスク」を招くと述べ、米国はファーウェイを使わないと明言した。ファーウェイの米国での売り上げが世界全体に占める割合は小さいが、同社は世界的なブランドの評判を維持するために、米国の措置に訴訟などで対抗するとしている。
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