台湾の蔡英文総統は19日、中国が台湾の選挙に「毎日」のように介入し、台湾の民主主義に実害をもたらそうとしていると批判した。中国初の国産空母が週末に台湾海峡を通過したが、来年1月の総統選での再選を目指す蔡総統に対し、圧力をかける狙いがあるとみられている。
『ロイター通信』や
『AP通信』などが報じた。台湾では来年1月11日に総統選が行われ、国会に相当する立法院の選挙も同日実施される。各党の選挙活動は既に佳境に入っており、中国はこの状況を注視している。中国は現職の蔡氏の対抗馬である中国政府寄りの野党・国民党の候補、韓国瑜氏を推しているが、世論調査では蔡氏がリードしている。
与党・民主進歩党(民進党)は17日、蔡氏の副総統候補に頼清徳前行政院長(首相)を起用すると発表したが、当日、近く就役するとみられる中国初の国産空母が艦隊を組んで台湾海峡を航行した。...
全部読む
『ロイター通信』や
『AP通信』などが報じた。台湾では来年1月11日に総統選が行われ、国会に相当する立法院の選挙も同日実施される。各党の選挙活動は既に佳境に入っており、中国はこの状況を注視している。中国は現職の蔡氏の対抗馬である中国政府寄りの野党・国民党の候補、韓国瑜氏を推しているが、世論調査では蔡氏がリードしている。
与党・民主進歩党(民進党)は17日、蔡氏の副総統候補に頼清徳前行政院長(首相)を起用すると発表したが、当日、近く就役するとみられる中国初の国産空母が艦隊を組んで台湾海峡を航行した。台湾は、中国が台湾の有権者を威嚇しようとしていると非難した。
台湾をその領土の一部と主張する中国は、蔡氏と民進党が、台湾の正式な独立を目指すのではないかと警戒している。2005年施行の「反国家分裂法」は、台湾独立の動きを阻止し、祖国の平和統一を促進すると定めており、場合によっては武力の行使も認めている。
蔡総統は、正式に総統選への立候補登録を済ませた後、中国からの圧力が高まり、香港では民主派による抗議活動が激化しているなどの情勢を踏まえ、台湾の選挙は重要な時期に行われると強調した。同総統は、台湾の独立を支持するのかとの記者団からの質問に対し、台湾には既に主権があると答え、「我々には主権があり、政府があり、民主的な自由な制度がある。我々は自らを防衛し、外交的関係も有する。」と述べた。
中国の空母が台湾海峡を通過したことについて尋ねられた蔡総統は、「中国は、大国として、国際的にも地域的にも平和と安定の維持に責任を負っている。」とした上で、台湾の選挙に介入しようとする中国の試みは「明確で、よく見られる」ものだと説明した。同総統は、「中国の台湾の選挙への干渉は起きており、しかも毎日起きている。」と述べ、台湾の民主主義を損なうことを意図したものであると批判した。
中国の習近平主席は今年1月、中国は台湾を管理下に置くため、武力行使の権限を留保すると指摘したが、平和的な再統一が達成されるよう取り組む意向を示した。中国は空母の台湾海峡通過は通常の任務で、特定国・地域を対象としたものではないと説明している。
閉じる