米ファストフード大手バーガーキングは12日、欧州25カ国で肉を使わないベジタリアン(菜食主義者)向けハンバーガーの販売を開始した。植物由来の食品のニーズは高まっており、同社は新商品の投入により、拡大するベジタリアン市場での顧客獲得を目指す。
『AFP通信』や
『ロイター通信』、
『ブルームバーグ』などによれば、新商品は同社の主力商品「ワッパー(Whopper)」のベジタリアン向けのものであり、米国とスウェーデンでの試験販売を経て、欧州25カ国の2,500店舗でメニューに加えられることとなった。
価格は動物の肉を使った通常メニューと同等で、人口肉はオランダの食品企業ベジタリアン・ブッチャーが供給する。同社は最近、オランダとイギリスが本拠の多国籍企業で一般消費財大手のユニリーバに買収された。...
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『AFP通信』や
『ロイター通信』、
『ブルームバーグ』などによれば、新商品は同社の主力商品「ワッパー(Whopper)」のベジタリアン向けのものであり、米国とスウェーデンでの試験販売を経て、欧州25カ国の2,500店舗でメニューに加えられることとなった。
価格は動物の肉を使った通常メニューと同等で、人口肉はオランダの食品企業ベジタリアン・ブッチャーが供給する。同社は最近、オランダとイギリスが本拠の多国籍企業で一般消費財大手のユニリーバに買収された。
同社の欧州・中東・アフリカ地区の責任者、デビッド・シアー社長は、「欧州では今までで最大規模の新商品投入となる。ベジタリアン向け商品は成長分野であり、将来性を感じている。」と強調した。英国でも後日発売され、おそらく来年初めからになるという。シアー社長は、売り上げや欧州市場での目標などの詳細については語らなかった。
バーガーキングは新商品の販売により、人工肉を使ったベジタリアンバーガーを提供する欧州最大のファストフードチェーンになる。米国では、ベジタリアン商品を試験投入した後、これまでファストフード店をひいきにしていなかった新たな顧客が来店し、既存のバーガーなどの売り上げも伸びているという。しかし、牛肉や鶏肉を焼くのと同じグリルで人工肉も調理するのであれば、厳格なベジタリアンには拒否されるとの指摘もある。
米ファストフード業界では、他社もベジタリアン向け商品の開発に取り組んでいる。ケンタッキー・フライドチキン(KFC)などを傘下に持つヤム・ブランズは、人工肉のチキンを試験販売している。マクドナルドも4月、ドイツでスイス食品・飲料大手ネスレと共同開発した植物由来の人工肉バーガーの試験販売を開始した。また、9月からカナダでも別会社の人工肉でチーズバーガーの試験販売をしているが、大規模販売には至っていない。
米JPモルガンは、牛肉生産が環境悪化の大きな要因であるため、植物由来の人工肉の市場は、今後15年で1000億ドル(約11兆円)規模に成長すると見積もっている。食事療法や倫理上・環境上の理由からビーガン(完全菜食主義者)となる消費者が増えており、世界の食品業界では、動物肉の代替となるタンパク源の開発競争が熾烈さを増している。
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