イタリアの学校では来年から、気候変動とサステイナビリティ(持続性)学が義務教育課程に組み込まれるという。「公民」や「地理」、「数学」、「物理」に組み込まれる予定だという。
11月6日付米国
『CNN』は「イタリアの義務教育カリキュラムに温暖化教育、世界初」との見出しで以下のように報道している。
来年からイタリアの学校では、すべての学年で、気候変動とサステイナビリティ(持続性)学の履修を義務化する。全国全ての学校で年間約33時間のカリキュラムを組む。気候変動は「公民」の授業へ、「持続可能な開発」の分野は、従来の地理、数学、物理に組み込まれる予定だという。義務教育化で、気候変動への意識を高めることに繋げる狙い。...
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11月6日付米国
『CNN』は「イタリアの義務教育カリキュラムに温暖化教育、世界初」との見出しで以下のように報道している。
来年からイタリアの学校では、すべての学年で、気候変動とサステイナビリティ(持続性)学の履修を義務化する。全国全ての学校で年間約33時間のカリキュラムを組む。気候変動は「公民」の授業へ、「持続可能な開発」の分野は、従来の地理、数学、物理に組み込まれる予定だという。義務教育化で、気候変動への意識を高めることに繋げる狙い。
「五つ星運動(Five Star Movement)」(左派政党)出身のロレンツォ・フィオラモンティ教育大臣は、環境教育でイタリアが世界のリーダーとなる事を目的とするもので、未来の人間は気候変動の緊急性に備えねばならないとの政府の理念に基づくものとする。また、教育省全体が持続性と気候を教育モデルの中心に据えるよう変化していく段階だとしている。
「五つ星運動」は、環境問題における草の根運動の歴史をもつ。フィオラモンティ氏は大臣になってからは、気候変動活動をする学生支援や、プラスチック、甘味飲料への課税を推進支援したことで極右政党から批判された。
同日付米国『CBS』は「イタリアで世界初、気候変動教育を義務化へ」との見出しで以下のように報道している。
イタリアで全学年の学生が地球の抱える気候危機を学ぶ。来年から、気候変動と持続性が義務教育課程に組み込まれる予定。
ロレンツォ・フィオラモンティ教育大臣は42歳の政治家。環境政策を掲げてきた歴史のある反既存勢力「5つ星運動」に属する。環境の専門家グループが政府スタッフのカリキュラム作成を支援する体制を整え、1月までに教師の訓練へ向けた準備をするとしている。
各学年で新しいカリキュラムへの異なるアプローチ法をとる。小学校では、「おとぎ話モデル」で様々な文化に環境を結びつけた学習をする。中学校では、より技術情報を身に着けるようにし、高校では、国連の2030年持続性開発アジェンダまで掘り下げて学ぶ。
今月5日には、世界各国11,000人の科学者たちが、気候変動に対する本格的な対策を求める声明を発表。「人類が今のままのやり方を変えなければ、計り知れない苦しみを生じさせる」と危機感を示した。また、10月には地球の気温が過去最高を記録。一方今週トランプ政権は、パリ条約からの正式脱退プロセスの開始することを発表したばかりだ。
フィオラモンティ氏は保守派政党から甘味飲料税やプラスチック税導入推進や、学生に対しグレタ・トゥンベリ氏に賛同する環境ムーブメント「フライデー・フォー・フューチャー」に学校を休んで参加することを奨めるなどして批判されてきた。しかし若者世代が気候への行動を自ら取り出している。
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