世界153カ国の約1万1,000人の科学者らが5日、過去40年にわたる詳細なデータに基づく気候変動に関する報告書を公表し、地球は危機的な状況に直面しており、早急に本格的な対策を求めるとの声明を連名で発表した。
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『CNN』や英
『BBC』など多くのメディアが報じた。今回の報告書は、科学誌「バイオサイエンス」に掲載され、気候変動の危機は「裕福な生活様式による過度な消費と密接に関係している」と指摘した。科学者らは、「ありのままの姿を話す倫理的な責任」が自分たちにあるとして、もし人類が現在のやり方を変えなければ、「計り知れない苦しみ」がもたらされると脅威の規模について警告している。
多くの学者が、人々に気候変動に関する行動を促すために集結するのは初めてのことではない。...
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『BBC』など多くのメディアが報じた。今回の報告書は、科学誌「バイオサイエンス」に掲載され、気候変動の危機は「裕福な生活様式による過度な消費と密接に関係している」と指摘した。科学者らは、「ありのままの姿を話す倫理的な責任」が自分たちにあるとして、もし人類が現在のやり方を変えなければ、「計り知れない苦しみ」がもたらされると脅威の規模について警告している。
多くの学者が、人々に気候変動に関する行動を促すために集結するのは初めてのことではない。2017年には184カ国の1万6,000人超の科学者らが公開書簡を出状し、「人類と自然界はこのままだと衝突することになる。」と警鐘を鳴らしていた。
今回の報告書は、過去の同様の報告書や警告を踏襲しているが、さらに一歩踏み込み、希望も示している。そのために6つの主要課題を挙げ、人類が最も壊滅的な事態を防ぎたければ、早急な対策を講じるよう訴えた。それらの課題は、化石燃料の代替、メタンガスや煤煙など汚染物質の排出量削減、食肉消費の抑制、生態系の再生と保護、CO2を排出しないカーボンフリー経済の構築、家族計画や女子教育への投資による人口増加の安定化だ。
科学者らは、スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリさんの主張に賛同し、政治家らが根本的で継続的な行動を起こさないことを批判しており、「40年にわたる地球温暖化への対応に関する交渉にもかかわらず、わずかばかりの例外を除き、我々は普段と変わらぬ生活を続け、この窮状に殆ど対応して来なかった。」と述べた。
確かに一部の分野では、一定の進展が見られる。例えば、再生エネルギーの利用は大きく伸びており、風力および太陽光発電による電気消費量は10年で373%増加した。しかし、2018年時点では化石燃料による電気消費量の28分の1にとどまっている。
報告書の代表執筆者の1人であり、非営利科学団体「保全生物学研究所」のフィービー・バーナード氏は、報告書は政治家が小出しの対策を講じる余裕はもう無いことを明確に示したと強調した。その上で後世の人々は、我々が気候変動は文明にとって深刻な脅威であることを無視したと汚名を着せるだろうとして、すぐに抜本的な対応を取るよう求めた。
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