ドイツのメルケル首相は3日、電気自動車(EV)への移行の推進に向けた自動車業界との会合に先立ち公開されたビデオメッセージの中で、2030年までに国内で充電ステーションを100万カ所設置したいとの意向を表明した。
『ロイター通信』『AFP通信』『AP通信』などが報じた。ドイツには現在、公衆の充電場所が約2万1,000カ所しかない。メルケル首相は、毎週配信するビデオ・ポッドキャストで、「2030年までに100万カ所の充電場所を設置したいと考えており、自動車業界もこの取り組みに参加すべきだ。(業界との会合では)このことについて話し合う。」と述べた。
メルケル首相と自動車業界との会合は2回目となる。メルケル政権は9月、ドイツの温室効果ガス排出量を、1990年時点での水準から少なくとも55%削減することを目指す措置の一環として、2030年までに、公道を走るEVの台数を、今年8月の約22万台から700~1000万台へと増やすとともに、EVの充電場所を100万カ所に増やすという意欲的な目標を掲げた。...
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『ロイター通信』『AFP通信』『AP通信』などが報じた。ドイツには現在、公衆の充電場所が約2万1,000カ所しかない。メルケル首相は、毎週配信するビデオ・ポッドキャストで、「2030年までに100万カ所の充電場所を設置したいと考えており、自動車業界もこの取り組みに参加すべきだ。(業界との会合では)このことについて話し合う。」と述べた。
メルケル首相と自動車業界との会合は2回目となる。メルケル政権は9月、ドイツの温室効果ガス排出量を、1990年時点での水準から少なくとも55%削減することを目指す措置の一環として、2030年までに、公道を走るEVの台数を、今年8月の約22万台から700~1000万台へと増やすとともに、EVの充電場所を100万カ所に増やすという意欲的な目標を掲げた。温室効果ガス削減目標の達成には、EV普及に向けた業界の協力が必要だ。
独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が本拠を構えるニーダーザクセン州のシュテファン・ヴァイル州首相は、2021年までに10万カ所の公衆充電ステーションの設置を約束して欲しいと訴えた。ヴァイル州首相は、EV移行の加速化を宣言したVWの監査役を務めているが、EV販売の成功のためには、さらに多くの充電設備が必要と考えている。現在、EVが欲しくても購入を断念する人は、充電場所の不足をその理由に挙げている。
ドイツ連邦政府はまた、ガソリン車やディーゼル車に替わるクリーンな車として、EVに加え、水素燃料電池車の普及の可能性も追及しており、政府と自動車業界が、この2種類の車の購入に対する助成金の費用を分担することなどが検討されている。
メルケル首相は、連邦政府はEVなどを普及させる一方で、自動車や自動車部品関連産業に従事する約80万人の雇用も維持したいとしている。EV製造のために必要とされる従業員数は、従来の車と比較して少なくて済むことが明らかになっているからだ。
ヴァイル・ニーダーザクセン州首相は、自動車業界の労働力が過剰となった場合、連邦政府は、労働時間の短縮を補償するための法律の条項を緩和して対応すべきと指摘した。また、さらに充電場所を増やすために、不動産の取得や賃貸に関する法手続を簡素化すべきとも訴えており、政治家が積極的に支援していくべきであると主張している。
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