オランダの首都アムステルダムなどが15日に発表した調査結果によると、同市の有名な水上花市場で販売されたチューリップの球根のうち、実際に花が咲いたのはわずか1%であることが分かった。消費者に対する詐欺行為が常態化していることが判明している。
地元メディアのほか、
『AFP通信』や英
『ザ・テレグラフ』などが報じた本調査は、アムステルダム市とチューリップ農家などの委託により行われた大規模なものである。調査では、しばしばパッケージの写真に似た色の花が1つしか咲かないことや、球根の量が表示より少ないことなどの事実も明らかになった。
オランダの球根生産者協会(KAVB)は、市場でのチューリップの球根販売について、「消費者に対する詐欺が常習的に行われていることが調査によって示された。...
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地元メディアのほか、
『AFP通信』や英
『ザ・テレグラフ』などが報じた本調査は、アムステルダム市とチューリップ農家などの委託により行われた大規模なものである。調査では、しばしばパッケージの写真に似た色の花が1つしか咲かないことや、球根の量が表示より少ないことなどの事実も明らかになった。
オランダの球根生産者協会(KAVB)は、市場でのチューリップの球根販売について、「消費者に対する詐欺が常習的に行われていることが調査によって示された。」と結論づけた。KAVBのルネ・ルクレア会長は、「多数の観光客や日帰り旅行者が騙されている。」との声明を発表しており、アムステルダム市とKAVBは、本件を監視機構に報告した。
アムステルダムの水上花市場は同市の最も有名な観光地の1つであり、その歴史は1862年頃にまで遡る。当時花を売る人々がアムステル川を舟で上り、シンゲル運河に集まり市場を形成した。現在では、小さな温室を載せた多くの固定された艀の上で、チューリップの球根だけでなく様々な種類の花が販売されており、運河沿いの通りにも花屋がある。
今回実施された調査によれば、シンゲル運河の市場で販売され、その後植えられた1,363個の球根のうち、実際に花を咲かせたのはわずか1%程度の14個だけだった。92%は芽も出なかったという。調査では、同水上市場以外に、アムステルダム南方のリッセの球根花市場や農園などでも、同様の問題が起きていることが判明したとしている。
本調査は今年の4月下旬に行われている。アムステルダム市の広報担当者は、チューリップの球根を季節外れの春に販売し、買い手に誤った説明をしていることが問題と話しており、まともな花屋はそのようなことはしないと強調した。チューリップの球根は、北半球では8~12月に販売され、春に花を咲かせるため、冬が来る前に植えるのが一般的だ。
オスマントルコ帝国から400年前に輸入されて以来、チューリップはオランダの象徴となり、球根栽培産業も同国経済の柱に成長した。ルクレア氏は、チューリップの球根の詐欺行為は過去20年ほど続いている問題として、早急に根絶する対策を講じるよう訴えた。
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