スペイン最高裁は14日、北東部カタルーニャ自治州政府が2017年に実施した独立の是非を問う住民投票をめぐり、これを主導したジュンケラス前州副首相に対し、13年の禁錮刑を言い渡した。その他の当時の州政府閣僚らにも、長期の禁錮刑や罰金刑が科された。
『AFP通信』や英
『BBC』などが報じた。12人の被告らは2017年10月1日、スペインの憲法裁判所が違憲とした独立の是非を問う住民投票を実施し、その後短期間にわたり独立宣言を強行したことなどによって罪に問われ、今年2月から裁判が行われていた。
当時の最高責任者だったプチデモン前州首相が訴追を避けるために国外に逃亡しているため、今回はジュンケラス前州副首相が主要な被告となった。同前副首相に対する量刑は最も重く、反乱罪などで禁錮刑13年が言い渡されたが、検察側は25年を求刑していた。...
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『AFP通信』や英
『BBC』などが報じた。12人の被告らは2017年10月1日、スペインの憲法裁判所が違憲とした独立の是非を問う住民投票を実施し、その後短期間にわたり独立宣言を強行したことなどによって罪に問われ、今年2月から裁判が行われていた。
当時の最高責任者だったプチデモン前州首相が訴追を避けるために国外に逃亡しているため、今回はジュンケラス前州副首相が主要な被告となった。同前副首相に対する量刑は最も重く、反乱罪などで禁錮刑13年が言い渡されたが、検察側は25年を求刑していた。この他の被告8名には9~12年の禁錮刑が、3名には罰金刑が科されている。
ジュンケラス前州副首相は、14日に公開された支持者宛ての書簡に、「決して今日で終わったわけではない。中央政府の勝利でもないし、我々が納得したわけでもない。我々はさらに強くなって戻ってくる。そして勝利する。」と記した。
プチデモン氏は逃亡先のベルギーのブリュッセルで、判決は「非道」であると非難した。同氏はツイッターへの投稿で、「全員合計で100年の禁錮刑は非道だ。かつてないほどに反応し行動を起こすべき時だ。」と訴えた。
スペイン中央政府は、本裁判の終結により、過去10年間続いたカタルーニャ自治州独立運動がもたらした危機状態から脱することができると期待感を示した。サンチェス首相は「最高裁の判決を受けて、我々は対話を通じ出直す必要がある。」と述べた。しかし、最高裁は判決直後、プチデモン氏に対する新たな国際逮捕状を発行しており、中央政府は、国外に逃亡している同氏ら6人への追及の手を緩めない姿勢を明確にしている。
最高裁判決に反発した独立派住民は、カタルーニャ自治州の州都バルセロナの街頭で数千人規模のデモを行い、街路を封鎖し、鉄道の運行を妨害するなどした。デモ隊は同市のエル・プラット空港へと行進し、警察と衝突。さらに同空港への交通に支障を生じさせたため、多くの便が欠航した。今後数日間、バルセロナ周辺の5つの町から同市へとデモ隊が行進して18日に集結するほか、同日に大規模なストの実施も呼び掛けられている。
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