米国土安全保障省の当局者らが2日、メディアに対し明らかにした情報によると、トランプ米政権は、違法に米国に入国したため身柄を拘束された移民全員のDNAを採取し、米連邦捜査局(FBI)のデータベースに登録する計画を進めていることが判明した。
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『CNN』『NBCニュース』や
『AFP通信』などが報じた。国土安全保障省(DHS)の当局者らは匿名を条件に記者団の取材に応じ、司法省との協力により実施される本政策によって、入国管理や国境管理を行う政府機関が、移民や拘束者の状況を大局的な視点で把握することができるようになると説明した。
採取された不法移民のDNAの情報は、FBIの「統合DNA インデックス・システム(CODIS)」のDNAデータベースに登録され、FBI以外の法執行機関などが使用することもあり得るとしている。...
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『CNN』『NBCニュース』や
『AFP通信』などが報じた。国土安全保障省(DHS)の当局者らは匿名を条件に記者団の取材に応じ、司法省との協力により実施される本政策によって、入国管理や国境管理を行う政府機関が、移民や拘束者の状況を大局的な視点で把握することができるようになると説明した。
採取された不法移民のDNAの情報は、FBIの「統合DNA インデックス・システム(CODIS)」のDNAデータベースに登録され、FBI以外の法執行機関などが使用することもあり得るとしている。当局者の1人は、「わが国に違法に入国した人物を特定するための我々の能力を高めるものだ。他の機関の身元を特定する能力を支援することにもなる。」と述べた。
しかしながら、拘束されただけで、まだ裁判を受けていない或いは有罪となっていない人々のDNAを採取し、情報を保管することについては、プライバシーの観点などから、人権保護団体などの批判を招く可能性がある。
当局者らは、2006年と2010年に司法省が定めた、拘束され有罪判決を受けた人々の扱いに関する規則により、実際にDNAサンプルの採取を求められていたが、それらの規則はDHSの要員や予算の不足などの事情により施行されなかったとしている。今回明らかになったDNA採取の計画は、プライバシー保護の対策や、実施のための費用、係員の教育、例外対象となる移民の決定などの詳細を検討中であり、実施の日程は未定であるという。
米国境警備隊は今年、南部のメキシコとの国境を家族単位で超えて米国に入国する移民らに対し、家族とされる個々人が実際に互いに血のつながりがあり、偽の家族でないことを検証するために、簡易DNAテストの実施を開始している。
今回判明した計画では、この簡易DNAテストよりさらに多くの遺伝子情報を収集し、登録することになるという。もう1人の当局者は、「これは簡易DNAテストとは根本的に異なり、DNA情報を全面的に取得するものだ。」と指摘した。
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