既報どおり、英国に進出している日系企業は、金融・製造業を中心に、Brexit後の英国及び欧州連合(EU)との通商状況の不確実さ等を理由に、英国外移転に動き始めている。そこで、英国にとって最重要投資元の国のひとつである日本とのBrexit後の通商協議がうまく運ぶようにと、英国政府はパブリック・オピニオンを募り、全国民からの後押しに期待している。
9月20日付
『ロイター通信』:「英国政府、Brexit後の日英通商協議進捗のためパブリック・オピニオンを要請」
訪日中の英国のリズ・トラス国際貿易相は9月20日、Brexit後の日英通商協議をスムーズに進捗させるため、11月4日を期限として、英国産業界等広く国民にパブリック・オピニオンを要請したいと語った。
日本は、英国にとって最重要投資元の国のひとつで、1,000社近くが進出して15万人以上の雇用を創出している。...
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9月20日付
『ロイター通信』:「英国政府、Brexit後の日英通商協議進捗のためパブリック・オピニオンを要請」
訪日中の英国のリズ・トラス国際貿易相は9月20日、Brexit後の日英通商協議をスムーズに進捗させるため、11月4日を期限として、英国産業界等広く国民にパブリック・オピニオンを要請したいと語った。
日本は、英国にとって最重要投資元の国のひとつで、1,000社近くが進出して15万人以上の雇用を創出している。
昨年度の両国間貿易高は295億ポンド(367億ドル、約3兆9,640億円)であった。
しかし、Brexitが現実味を帯びてくると、日系進出企業の多くが脱英国を検討し始めている。
特に、昨年の全英国産自動車約150万台の半分程を占める日産、トヨタ、ホンダは、Brexit後の部品納入事情の悪化を懸念している。
すなわち、自動車生産にはタイムリーな部品供給が必須だが、万が一英国・EU間で離脱協定が締結されないままBrexitを迎えると、必要部品の輸入通関・運搬に支障を来し、工場稼働・生産性に悪影響を及ぼしかねないという。
安倍晋三首相はかねてから、離脱協定なしのBrexitは避けるよう発言してきている。
しかし、ボリス・ジョンソン新首相は、テリーザ・メイ前首相がEU側と合意した離脱協定案の再交渉を求めており、最悪の場合、同協定が締結されなくとも10月末にEUを離脱すると宣言している。
なお、トラス氏は9月20日、新閣僚となった茂木敏充外相、菅原一秀経済産業相及び西村康稔経済再生相と、今後の日英通商関係について協議する予定である。
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