国際エネルギー機関(IEA)が12日に公表した月報によると、米国は6月に一時的にサウジアラビアを抜いて世界最大の原油輸出国となった。米国はシェールオイルの生産拡大を続けており、既に生産量では世界一となっている。
『ロイター通信』『CNN』『ブルームバーグ』などが報じた。IEAは、豊富な供給量により原油価格が低下し、世界の需要は経済的な逆風を乗り越えているとするとともに、米国が、6月に一時サウジアラビアを抜いて、世界最大の石油輸出国になったと報告した。米国はハリケーンや中国との貿易摩擦などの影響により、その後の輸出量は減少し、サウジアラビアが再び世界一に返り咲いている。
IEAの月報は、「1年前と比較して、現在の原油価格は約20%低下しており、消費者を支援するだろう」「米国は増大するシェール生産により、世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアに近づき、6月にはその輸出量が1日あたり300万バレルを超えて、短期間同国を追い抜いた」と説明した。...
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『ロイター通信』『CNN』『ブルームバーグ』などが報じた。IEAは、豊富な供給量により原油価格が低下し、世界の需要は経済的な逆風を乗り越えているとするとともに、米国が、6月に一時サウジアラビアを抜いて、世界最大の石油輸出国になったと報告した。米国はハリケーンや中国との貿易摩擦などの影響により、その後の輸出量は減少し、サウジアラビアが再び世界一に返り咲いている。
IEAの月報は、「1年前と比較して、現在の原油価格は約20%低下しており、消費者を支援するだろう」「米国は増大するシェール生産により、世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアに近づき、6月にはその輸出量が1日あたり300万バレルを超えて、短期間同国を追い抜いた」と説明した。サウジアラビアは同月に大幅な減産をしており、ロシアは原油を中欧や東欧へと輸出する主要パイプラインの1つの汚染除去に取り組んでいた。
シェールオイルの生産にけん引され、米国の原油生産量は、過去10年で倍増している。掘削技術の進歩により、莫大な埋蔵量の資源を新たに開発することが可能となった。IEAは、国際市場で米国の原油価格がどれ位魅力的なものになるかが課題だと指摘した。
IEAは、米中貿易交渉の具体的な進展がないことやイランをめぐる緊張緩和などを前提に、2019年の世界の原油需要は1日あたり110万バレルの増加、20年については同130万バレルの増加と予測しているが、今回その見通しを据え置いた。
さらにIEAは、米国はハリケーン「ドリアン」の通過後、原油生産を回復しており、ブラジルや北海での大幅な増産もあって、石油輸出国機構(OPEC)に加盟しない諸国による生産が急増するとしている。
こうしたOPEC非加盟国の生産量の伸びは、2020年に1日あたり230万バレルで、19年から同40万バレル増と予測されている。IEAは一方で、OPEC加盟国での原油需要は、20年の上半期に同2830万バレルとなり、今年8月の生産量より同140万バレル少なくなるとの見通しを示した。これにより、OPEC加盟国とロシアなどは、現在の協調減産の合意を見直す可能性もあるという。
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