9月8日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「ロシアとウクライナ、それぞれの囚人を交換釈放」
2014年3月のクリミア半島併合以来、ロシアとウクライナ両国の対立は深刻となっていた。
しかし、ロシアとの関係改善を訴えるウォロデミール・ゼレンスキー大統領の誕生によって、両国間の接近が期待されてきた。
そしてこの程、それぞれの国で収監されていた囚人が、同時期に釈放されることになった。...
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9月8日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「ロシアとウクライナ、それぞれの囚人を交換釈放」
2014年3月のクリミア半島併合以来、ロシアとウクライナ両国の対立は深刻となっていた。
しかし、ロシアとの関係改善を訴えるウォロデミール・ゼレンスキー大統領の誕生によって、両国間の接近が期待されてきた。
そしてこの程、それぞれの国で収監されていた囚人が、同時期に釈放されることになった。
すなわち、9月7日朝、モスクワのレフェルトボ刑務所からウクライナ人の囚人35人が釈放され、それと同じ時刻に、キエフにある収容所からロシア人の囚人35人が釈放された。
今回釈放されたウクライナ人の中には、クリミア半島併合に反対し、ロシアで100日のハンガーストライキを実施して逮捕・収監された、映画監督のオレグ・センツォフ氏が含まれている。
同氏は、2014年8月、クリミア半島でのテロ攻撃を計画したとして20年の懲役刑を受けて、ロシアの刑務所に5年間収監されていた。
ゼレンスキー大統領は、今回の囚人交換によって、ウクライナ東部で続いている“悲惨な戦争”を終結に向かわせる一歩となると表明している。
ただ、ウクライナ側では、ロシアが釈放を求めたリストの中に、ウクライナ東部で政府軍と交戦している親ロシア派分離主義組織のウォロデミール・ツェマク部隊長が含まれていることに懸念を示した。
何故なら、同部隊長は、2014年7月にウクライナ東部上空を飛行中のマレーシア航空MH17便を撃墜した事件に関わった疑いがあることから、事件を捜査しているオランダ検察から釈放しないよう要請されていたからである。
9月7日付ロシア『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「プーチン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談」
ロシア大統領府は9月7日、ウクライナのゼレンスキー大統領からの要請で、プーチン大統領が電話会談を行ったと発表した。
それによると、先にプーチン大統領がウクライナ側との協議で実行されることになると発表していた、それぞれの国に収監されている囚人の釈放について、9月7日に実現されたことを評価する内容であったという。
更に、両大統領は、“ノルマンディ・フォー・サミット(注1後記)”の開催を通じて、最も重要とされるミンスク議定書(注2後記)の履行を含めた和平に向けての協議について、討議したとも付言した。
(注1)ノルマンディ・フォー・サミット:1944年6月6日ノルマンディ上陸作戦70周年記念式典が2014年に開催された際、ウクライナ東部のドンバス紛争の解決を目指して、ロシアとウクライナに、共同仲介者としてドイツ・フランスが加わって協議する枠組みが合意された。以降、この4ヵ国の閣僚が様々な機会に会合し、ミンスク議定書履行に向けて協議している。
(注2)ミンスク議定書:2014年9月5日にウクライナ、ロシア連邦、(ウクライナ東部の)ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国が調印した、ドンバス地域における戦闘の停止を合意した文書のこと。これは欧州安全保障協力機構の援助の下、ベラルーシのミンスクで調印された。ただ、本議定書による停戦は、2015年1月には完全に崩壊している。
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