史上初のブラックホールの撮影に成功した、日本などの科学者347人の国際チームが5日、優れた科学研究に贈られる米国の科学賞「ブレイクスルー賞」の基礎物理分野の受賞者に選ばれた。
『AFP通信』や米
『CNN』のほか、米経済誌
『フォーブス』、英紙
『ガーディアン』など、多くのメディアが報じたブレイクスルー賞は、「科学界のアカデミー賞」として知られている。今回の賞金は300万ドル(約3億2000万円)だが、同賞を主催する財団は、20カ国から参加しているチーム全員の347人に等分に授与するとしており、1人あたり8,600ドル(約92万円)強となる。
地球上にある電波望遠鏡を連携させ、銀河の中心にある巨大ブラックホールの姿をとらえる国際共同プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」は4月10日、オレンジ色の炎のような高熱のプラズマで囲まれた黒い超大質量ブラックホールの画像を史上初めて公開し、世界中で大きな話題となった。...
全部読む
『AFP通信』や米
『CNN』のほか、米経済誌
『フォーブス』、英紙
『ガーディアン』など、多くのメディアが報じたブレイクスルー賞は、「科学界のアカデミー賞」として知られている。今回の賞金は300万ドル(約3億2000万円)だが、同賞を主催する財団は、20カ国から参加しているチーム全員の347人に等分に授与するとしており、1人あたり8,600ドル(約92万円)強となる。
地球上にある電波望遠鏡を連携させ、銀河の中心にある巨大ブラックホールの姿をとらえる国際共同プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」は4月10日、オレンジ色の炎のような高熱のプラズマで囲まれた黒い超大質量ブラックホールの画像を史上初めて公開し、世界中で大きな話題となった。
米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのシェップ・ドールマン氏に率いられた国際チームは、10年以上を費やし、世界各地の8台の電波望遠鏡によって受信された信号を結合し、地球と同じサイズの口径を持つ仮想望遠鏡を生み出した。
同技術を通じ、これまでにない解像度を実現した同チームは、仮想望遠鏡の照準を観測対象としていた地球から5500万光年離れた銀河M87の中心のブラックホールに定めた。そして、その姿を史上初めて映し出すことに成功し、精密な観測によってブラックホール理論を確認した。ドールマン氏は「これは始まりに過ぎない。」として、さらにブラックホールの正確なイメージを把握する時代が来ると述べている。
ブレイクスルー賞は、米シリコンバレーのIT大手企業の創業者らが創設した賞で、今年で8年目を迎える。世界のトップレベルの科学者の業績を称え、表彰するもので、基礎物理、生命科学、数学の3分野に分かれている。各分野で複数の個人やチームに贈られる場合もあり、賞金はそれぞれ300万ドルとなる。
今年の授賞式は、11月3日、カリフォルニア州マウンテンビューにある米航空宇宙局(NASA)のエイムズ研究センターで行われる。昨年の授賞式では、俳優のピアース・ブロスナン氏がホスト役だったが、今年は誰が務めるかについて、まだ発表されていない。
閉じる