米ニュース専門放送局のFOXニュースは22日、ホワイトハウスのサラ・サンダース前報道官と出演契約を結んだことを発表した。サンダース氏は9月から同局の番組に登場し、政治に関するコメントや分析を行う。
発表した
『FOXニュース』のほか、
『CNN』や
『ブルームバーグ』、
『USAトゥデイ』など、多くの米メディアが報じた。トランプ政権でFOXグループに加わった広報部門の元幹部は、サンダース氏で3人目だ。逆に同グループから政権入りした幹部もいるという。
FOXニュースは現在、ルパート・マードック氏率いるメディア帝国の傘下にあり、保守的、共和党寄りの報道姿勢で知られている。夜の看板番組が並ぶ時間帯のプライムタイムには最も視聴されているネットワークであり、過去1年間では、一晩当たりの平均視聴者数は243万人に上っている。
サラ・ハッカビー・サンダース氏は37歳。夫と3人の子とともにアーカンソー州に住んでいる。同氏は、共和党の元アーカンソー州知事で2016年の大統領選に出馬したマイク・ハッカビー氏の娘であり、同大統領選で父の選挙運動を支援していたが、その撤退後にトランプ陣営に参加した。2017年1月にトランプ政権が発足して、ホワイトハウスの副報道官に就任し、ショーン・スパイサー元報道官が更迭された後の17年7月に昇格。3人目の女性、そして母親としては初めて、今年6月まで約2年間、報道官を務めた。
サンダース氏は、トランプ大統領に最も忠実な政権幹部の1人だった。トランプ氏に批判的なメディアと記者会見でしばしば対立することもあり、在任中は記者団との関係は非常に希薄だった。記者会見も、その任期の後半には殆ど開かれなくなった。
FOXニュースは22日、サンダース氏のデビュー番組は、9月6日に観客をスタジオに招いて生放送される「フォックス・アンド・フレンズ」になると発表した。同番組は米東部時間で毎朝6時から放送されるニュースショー番組である。同氏はFOXニュースのテレビ・ラジオ放送や電子媒体で、政治に関するコメントなどを発信していく。
サンダース氏は声明で、「FOXニュースは、17年連続で米国第1位の報道機関であり、政治的な洞察や分析を提供する同局の素晴らしいコメンテーター陣に加わることに、この上ない誇りを感じている。」と述べた。
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