インターネット通販最大手の米アマゾン・ドット・コムは21日、インド南部のハイデラバードに、同社では世界最大規模となる拠点をオープンした。成長著しい同社のインド事業をさらに拡大する計画の一環となる。
『ロイター通信』や
『ブルームバーグ』などがアマゾンの新拠点について報じた。同社の拠点建設をめぐっては、米国のシアトル本社に続く第2本社を、首都ワシントン郊外のアーリントンとニューヨーク市内の2カ所に分散して建設する予定であったが、同社は今年2月、ニューヨークについては、地元の議員や住民の反対を受けて建設を断念した。
インド・ハイデラバードの新拠点は、3年以上の工期を経て完成した。9.5エーカー(約3万8,450平方メートル)の広さで、建設コストが数十億ドル規模の大きな投資である。...
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『ロイター通信』や
『ブルームバーグ』などがアマゾンの新拠点について報じた。同社の拠点建設をめぐっては、米国のシアトル本社に続く第2本社を、首都ワシントン郊外のアーリントンとニューヨーク市内の2カ所に分散して建設する予定であったが、同社は今年2月、ニューヨークについては、地元の議員や住民の反対を受けて建設を断念した。
インド・ハイデラバードの新拠点は、3年以上の工期を経て完成した。9.5エーカー(約3万8,450平方メートル)の広さで、建設コストが数十億ドル規模の大きな投資である。アマゾンは、新拠点には1万5,000人以上を収容できるとしており、クラウドサービス事業を手掛けるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)など様々な部門が入居し、同社のインドで働く従業員約6万2,000人のうち、およそ3分の1が新拠点で勤務することになる。
同社のインド部門の責任者を務めるアミット・アガルワル氏は21日、「これだけの大きさのオフィスを建設するために投資を行うのは、我々が成長し続けるということを示している。」と説明した。新拠点もまだまだ拡張できる余地があるという。
アマゾンは2004年、ハイデラバードでインド事業を開始したが、小売事業に乗り出したのは2013年だった。同社はそれ以降、プライム会員用に動画ストリーミングや食料品配送のサービスを加え、レストランメニューの宅配サービスなども実施している。
インドはアマゾンにとって最後の大型成長市場とみなされているが、同社は地元企業との競争の激化に直面している。アマゾン創業者のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は、ウォルマートが昨年インドで買収した同社電子商取引部門のフリップカートとの競争もあり、インド事業に50億ドル(約5300億円)以上の投資を約束した。同社はまた、インド国内の従来型小売業者との提携の可能性も模索している。
今年初め、インドは電子商取引分野に関する規制を改定し、アマゾンやフリップカートなどの外資系企業が、同国内でネット販売を行う際の新たな障害も設けられた。アガルワル氏は、インドは停滞する国内経済を成長軌道に乗せるため、電子商取引を促進し、中小企業のネット販売や輸出を支援するよう規制を緩和すべきとの考えを示した。
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