交流サイト最大手の米フェイスブック(FB)は20日、同社が広告表示のために、他のウェブサイトやアプリと共有しているユーザーの閲覧履歴などの情報を、ユーザーが自身で管理できる機能を追加するとの方針を発表した。
『AFP通信』や
『ロイター通信』『ブルームバーグ』など多くのメディアが報じた。FBなどのIT大手企業は、ユーザーのネット上での行動履歴をもとにユーザーの関心を推測し、対象を絞って広告を表示する「行動ターゲティング広告」の手法を採用している。
現在、FBのアカウントを持つユーザーが訪れる商業用ウェブサイトや使用するアプリは、FBに閲覧の詳細情報などを送付することができ、そのユーザーが探し求めていた可能性のある商品に関連した広告を本人に表示するよう促している。
今回の新機能は、そうしたターゲティング広告への使用目的で、他のサイトやアプリからFBに提供されるユーザーのFB外での行動履歴データを、ユーザー自身が閲覧し、希望に応じて削除し、今後の行動履歴をFBから切り離すことができるというものだ。これにより、FBはユーザーの関心などを把握できなくなり、情報が広告に利用されなくなる。
FBは、同社のプラットフォーム全体を通じ、ユーザーのプライバシー管理に関する機能の向上や規則の強化などに努めている。同社は新機能について声明で、「透明性とFBに関する管理」をユーザーにさらに与える方法であると説明した。
新機能は先ずアイルランド、韓国、スペインで導入され、その後数カ月の間に世界中に展開される予定だ。FBは多額の広告収入を得ており、ターゲティング広告の効率を下げるようなシステム変更は、同社の売り上げに響くはずだ。同社は、「我々は本件が当社の事業に若干の影響を与える可能性があると見ているが、ユーザーに自身のデータについての管理権を与えることの方がより重要と考える。」との見解を示した。
FBは、個人情報保護の取り扱いの不備について、議会や規制当局から厳しい批判を受けている。米連邦取引委員会(FTC)は先月24日、この問題をめぐり、同社が過去最高額となる50億ドル(約5330億円)の制裁金を支払うほか、様々な対策を講じる条件で和解に応じることを明らかにした。ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はその際、「我々は歴史的な制裁金の支払いに合意したが、より重要なのは、我々の製品の構築方法や当社の経営方法に何らかの構造的変革を加えることだ。」と改革を宣言していた。
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