ドナルド・トランプ大統領の白人至上主義的発言は今に始まったことではないが、7月中旬に発した、有色人種の4人の民主党議員に対する罵倒は、与党・共和党からも批判の声が上がっている。ただひとつ、強力な支持を打ち出しているのは、同大統領の露骨な親ユダヤ主義を歓迎するイスラエルである。そしてこの程、イスラエル政府は、先の4人のうち、同国を公式訪問しようとした2人の議員に対して入国拒否をした。支持集めに形振り構わない同大統領は、同議員らが“イスラエル嫌い”だから入国拒否されたと、共同謀議的な発言をして更に火に油を注いでいる。
8月15日付米
『バイパルチザン(超党派)レポート』:「2020年大統領選民主党候補がトランプ大統領の操り人形とイスラエルを酷評」
移民排斥発言の多いドナルド・トランプ大統領が喜びそうな事態が起こった。
イスラエル政府が8月15日、今週末から同国を公式訪問する予定であった2人の民主党議員の入国を拒否したのである。
ラシーダ・タリーブ下院議員(ミシガン州選出)とイルハン・オマール下院議員(ミネソタ州選出)で、イスラエルのツィッピ・ホトベリー外務副大臣は、両議員が“イスラエルの国際社会における権利を否定”していることを入国拒否の理由に挙げている。...
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8月15日付米
『バイパルチザン(超党派)レポート』:「2020年大統領選民主党候補がトランプ大統領の操り人形とイスラエルを酷評」
移民排斥発言の多いドナルド・トランプ大統領が喜びそうな事態が起こった。
イスラエル政府が8月15日、今週末から同国を公式訪問する予定であった2人の民主党議員の入国を拒否したのである。
ラシーダ・タリーブ下院議員(ミシガン州選出)とイルハン・オマール下院議員(ミネソタ州選出)で、イスラエルのツィッピ・ホトベリー外務副大臣は、両議員が“イスラエルの国際社会における権利を否定”していることを入国拒否の理由に挙げている。
イスラエルの国内法では、同国のボイコット、投資撤収、制裁等を目的とした個人の入国を政府が拒否することができると定めている。
この措置に対して、早速、2020年大統領選民主党候補らから一斉に非難の声が上がった。
バーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)は、“米国民から負託を受けた議員、及び米国議会、更には民主主義の原則に対する侮辱”だと猛烈に抗議した。
また、エリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出)は、“全く恥ずべき行為”だと断罪した。
一方、トランプ大統領は、“イスラエル嫌い”の議員が入国拒否されるのは当然だとばかり、あたかも両議員が反ユダヤ主義を標榜しているかのようなツイートをして、イスラエルの決定を評価している。
奇しくも、同大統領は7月中旬、両議員に加えて、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(ニューヨーク州選出)及びアヤナ・プレスリー下院議員(マサチューセッツ州選出)の4人の非白人女性議員に対して、“米国が嫌いなら元の国に帰ればよい”と、人種差別的発言をして物議を醸していた。
8月16日付英国『ミラー・オンライン』:「イスラエル、トランプ大統領から非難の対象となっていたイスラム教徒の米議員の入国拒否」
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は8月15日、トランプ大統領との電話会談の後、2人の米下院議員の同国入国を拒否した。
同首相によると、同議員らの訪問先がパレスチナ自治区で、イスラエルに対するボイコットを推進するためであり、同国国内法の“ボイコット、投資撤収、制裁を推進する行為を企てる個人の入国拒否”の措置によるものだとした。
入国拒否されたタリーブ、オマール両議員は、米議員に選出された初のイスラム教徒であるが、かねてより、ヨルダン川西岸及びガザ地区のパレスチナ人を支援するため、イスラエルのボイコット、投資撤収、制裁を訴えていた。
なお、ネタニヤフ政権の関係者によると、当初イスラエルは両議員の入国を認めていたが、トランプ大統領からの電話を受けた後、同首相が入国拒否を決定したという。
一方、トランプ大統領は取材に対して、誰と話したか等に答えるつもりはないとしながらも、イスラエルに電話したことは否定しなかった。
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