台湾政府は、外国人観光客が台北市の総統府に無料で1泊できる企画を発表したが、その第1期の申し込み受付が12日に開始した。中国政府が台湾への個人旅行を禁止して同地の経済は打撃を受ける恐れがあり、当企画を通じ多くの観光客を誘致する狙いがある。
『AFP通信』や地元台湾メディアなどの報道によると、台湾総統府の建設100周年を記念し、最大20人の海外からの観光客が、この台北の代表的建造物に無料で宿泊できる。宿泊者は、朝食を提供され、バロック様式の建物のガイド付きツアーに参加可能だ。また、希望すれば、毎朝5時半から行われる台湾旗掲揚の式典にも招待されるという。
台湾総統府の建物は、日本統治時代の1919年に建設が完了し、日本の台湾総督府として利用された。...
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『AFP通信』や地元台湾メディアなどの報道によると、台湾総統府の建設100周年を記念し、最大20人の海外からの観光客が、この台北の代表的建造物に無料で宿泊できる。宿泊者は、朝食を提供され、バロック様式の建物のガイド付きツアーに参加可能だ。また、希望すれば、毎朝5時半から行われる台湾旗掲揚の式典にも招待されるという。
台湾総統府の建物は、日本統治時代の1919年に建設が完了し、日本の台湾総督府として利用された。第2次世界大戦末期の1945年に米軍の空襲で大きく損傷したが、1947年に台湾政府によって修復され、1950年から総統府として使われている。
募集は2期に分けて行われ、第1期の申し込み手続は、12日から公式サイトで開始されており、31日までとなる。応募可能なのは、台湾市民を除く20歳以上の人で、旅行計画の説明や、台湾の魅力をPRする自己紹介用の「創造的な動画」の提出が必要で、同地の観光宣伝を行うことへの同意などが求められる。宿泊は10月から可能となる予定だ。
台湾の蔡英文総統は、イベントの公式動画で、「台湾を訪れ、この地の人々の温かさとおもてなしを体験してください。そして、ここにいる間、私の客人となって、この総統府で一夜を過ごしてはいかがですか?」と英語で語り、応募を呼びかけた。総統府の張惇涵報道官は、「本計画は、この種のものとしては世界初であり、我々の目的は、台湾の自由、民主主義、開放性などを示すことだ。」と説明した。
中国は数週間前に台湾への個人旅行の許可を停止すると発表し、これが台湾の経済に打撃をもたらす可能性がある。蔡氏が3年前に総統に就任して以降、中国本土から台湾を訪れる観光客の数は大幅に減少しているが、同氏が率いる民主進歩党(DPP)は、中国政府が蔡政権を脅すために観光客を「武器として」利用しているとして非難している。
中国政府は、台湾を自国の領土の一部と主張し、必要であれば力に訴えてでも、統一を図ろうとする姿勢を見せている。民主進歩党は、台湾が「1つの中国」の一部という考え方を認めていない。
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