香港のキャセイパシフィック航空は10日、反政府デモを支持する職員らが、中国本土に向かう便や中国の領空を通過する便に乗務することを禁止するとした、中国の航空当局が定めた新たな規則に従うことを発表した。
『AFP通信』や
『ロイター通信』などの報道によると、同航空会社はまた、デモに参加して暴動の罪で起訴されたパイロットを7月末に停職処分とし、デモに関連したものと思われる違法行為により地上職の職員2名を解雇したことを明らかにした。
中国の航空規制当局である中国民用航空局(CAAC)は9日、11日以降の中国本土へ向かう便について、乗務員の身元確認情報を提出し、承認を得るよう同航空会社に命じた。...
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『AFP通信』や
『ロイター通信』などの報道によると、同航空会社はまた、デモに参加して暴動の罪で起訴されたパイロットを7月末に停職処分とし、デモに関連したものと思われる違法行為により地上職の職員2名を解雇したことを明らかにした。
中国の航空規制当局である中国民用航空局(CAAC)は9日、11日以降の中国本土へ向かう便について、乗務員の身元確認情報を提出し、承認を得るよう同航空会社に命じた。また、安全上の問題として、香港の「違法な抗議活動」を支持しているとみられる職員は、中国本土に着陸する便や同国の領空を通過する航空便への乗務が禁止されると警告した。
香港では民主化を求める反政府デモが2カ月にわたって続き、暴力行為がエスカレートしている。中国政府は、同地で続く大規模デモは、1997年に香港が英国から返還されて以来の最大の危機であるとして、中国の体制に対する挑戦とみなしている。
キャセイパシフィック航空では、同社の一部の職員がデモに参加するとともに、客室乗務員の組合がデモを支持する共同声明に署名している。さらにパイロットが暴動で起訴されたことをメディアが報じたため、中国政府の怒りが同社に向けられた模様だ。同社のルパート・ホッグ最高経営責任者(CEO)は10日、従業員らに宛てたメッセージで、CAACが定めた新たな規則には従わざるを得ないと述べた。
ホッグ氏は、「中国本土でのキャセイパシフィックグループの運航業務は、当社事業の鍵となるものだ。本土との間を往復するだけでなく、当社の欧米に向かう便の飛行ルートの多くが中国本土の領空を通過している。」「当社はそれゆえ、当社に対し管轄権を持つ全ての規制当局によって発出される通知と同様に、CAACの規則に従うことを法的に求められている。当社は従わなければならないし、従うことになる。」と説明している。
同社のジョン・スローサー会長は先に、従業員の思想の自由を擁護するとしていたが、ホッグCEOは今回、従業員の振る舞いについて注意を促し、「我々はお互いや、顧客、一般の人々を尊重することが不可欠だ。当社便の安全な運航と、顧客に提供するサービスに影響する不適切な行為は、一切許容しない。」と強調した。
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