トランプ米大統領が銃乱射事件が起きたテキサス州とオハイオ州を訪問。訪問地ではトランプ氏の差別主義への批判や銃規制を求める抗議デモが起きた。犯人によるヒスパニック系移民への憎悪が原因とされる事件を受け、国境に近いテキサス州エルパソでは、白人至上主義の高まりに、人々はヒスパニック系であることに危険を感じているという。
8月8日付英国
『ガーディアン』は「悲嘆にくれるエルパソをトランプが訪問、ヒスパニックであることが恐怖」との見出しで以下のように報道している。
トランプ大統領は、銃乱射事件で多数の犠牲者が出たテキサス州エルパソを訪問したが、国境沿いの沿道で数百人の抗議デモにあった。犯人はトランプの反移民、人種差別的主張に感化されたようで、ラテン系の町には傷口に塩を塗るようなものであった。「トランプは差別主義者」、「ライフル協会より子どもを守れ」と書かれたプラカードが並んだ。...
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8月8日付英国
『ガーディアン』は「悲嘆にくれるエルパソをトランプが訪問、ヒスパニックであることが恐怖」との見出しで以下のように報道している。
トランプ大統領は、銃乱射事件で多数の犠牲者が出たテキサス州エルパソを訪問したが、国境沿いの沿道で数百人の抗議デモにあった。犯人はトランプの反移民、人種差別的主張に感化されたようで、ラテン系の町には傷口に塩を塗るようなものであった。「トランプは差別主義者」、「ライフル協会より子どもを守れ」と書かれたプラカードが並んだ。雰囲気は粛々とし決意を感じさせる物だった。
大統領夫妻は負傷者が治療中の病院も訪問した。メディア取材を避け、グリシャム報道官が病院関係者や救助隊に大統領が温かく歓迎された模様を事後報告したのみ。オハイオ州デイトンの病院前にもトランプが政治的、人種的緊張を高めたことに抗議し、銃規制を求める200人のデモ隊が並んだ。一方、大統領は概ね訪問は成功したと強調した。
エルパソの地元市議会議員によると、事件以来、住民の多くが白人至上主義の高まりに不安を抱えているという。
皆が「ヒスパニックであることに恐怖を感じている」のだという。その思いは複雑で、トランプを歓迎はしていなくても、同情と愛を示そうとする人はいる。デモ隊の中には、現職市議やベト・オルーク元議員などの有名政治家もいた。共和党州であるテキサスにあるエルパソは民主党の牙城なのだが、トランプ支持者も存在している。有権者からは「事件は政治に関係のないこと、トランプを歓迎すべき」との声もあったが、これは政治に関係があるとした。
8月7日付米国『ワシントン・イグザミナー』は「銃乱射事件後エルパソのヒスパニック系トランプ支持者と国境の町」との見出しで以下のように報道している。
ヒスパニック系のトランプ支持者の中には、トランプのレトリックへの非難の声に怒りを覚えている人もいる。友人が犠牲となり、その子ども達を元気づけようとする地元の女性は、抗議者の思いに理解を示しつつも、トランプが「ヒスパニックを狙って行け」と命令した訳でないという。それでも現実に起きた人種憎悪と、国境の町での生活を振り返る。犯人は「メキシコから国境を越えてくる人の増加を見て、事件を思いついた。これはヒスパニック系によるテキサス侵略への攻撃だ」等と証言しているという。地元政治家や大統領選挙候補者、市の民主党議員も、事件はトランプの移民政策との関連性があるとの認識を示している。一方で当市は、共和党の市長と、移民労働者により潤っている市という側面もあるのである。
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