自動車大手独フォルクスワーゲン(VW)と米フォード・モーターは12日、両社の提携関係を拡大し、自動運転や電気自動車(EV)の分野も対象に加えることで合意したことを発表した。自動車メーカーは、業界内の他社やIT企業などとの提携を進めている。
『ロイター通信』や英
『BBC』、米
『CNBC』などの報道によれば、今年1月に発表した両社の世界的な包括提携関係を自動運転やEVにも拡大する。関係者がニューヨークで記者会見し発表した。両社は既に商用車などの分野で提携関係にあり、自動運転とEV分野での協業に向けて検討を進めることとしていた。今後はさらに他分野への提携拡大を視野に入れ、技術開発や生産のためのコスト削減を目指していくとしている。
今回の提携拡大でVWは、フォード傘下で自動運転車の開発を行うベンチャー企業「アルゴAI」に26億ドル(約2800億円)を出資し、フォードから同社株5億ドル(約540億円)分を買い取り、両社の出資比率を均等にする。...
全部読む
『ロイター通信』や英
『BBC』、米
『CNBC』などの報道によれば、今年1月に発表した両社の世界的な包括提携関係を自動運転やEVにも拡大する。関係者がニューヨークで記者会見し発表した。両社は既に商用車などの分野で提携関係にあり、自動運転とEV分野での協業に向けて検討を進めることとしていた。今後はさらに他分野への提携拡大を視野に入れ、技術開発や生産のためのコスト削減を目指していくとしている。
今回の提携拡大でVWは、フォード傘下で自動運転車の開発を行うベンチャー企業「アルゴAI」に26億ドル(約2800億円)を出資し、フォードから同社株5億ドル(約540億円)分を買い取り、両社の出資比率を均等にする。アナリストによれば、この合意によって、両社はそれぞれ約40%のアルゴ株を保有し、アルゴ社が残りを保有することになるという。VWはまた、同社の自動運転技術部門の事業をアルゴ社に統合する。
VWのヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)は記者会見で、アルゴ社の技術は、VWが自動運転車の商用化を加速化させるための最良の手段であり、フォードとVWはともに同社の技術を世界的な産業基準にしていくと述べた。両社は2021年に自動運転車の商用化を開始する計画であるが、その時期が早まる可能性もある。
一方、フォードはVWからEV専用のプラットフォーム「MEB」の供給を受け、欧州で2023年からEVを生産する。6年間にわたり60万台超の生産を見込んでおり、VWからMEBの車台やその他の部品を調達し、コスト削減を図る。
VWはMEBに70億ドル(約7550億円)を投資するとしており、今後10年間に世界中でVWグループの自動車メーカーから発売される1500万台の車の車台を供給する。MEBの開発コストは、フォードのEVの売り上げから大半を回収できる見込みであるという。
しかし、両社の提携の効果は、いつ頃、どのように具体化するか不明だ。フォード・オートモーティブのジョー・ヒンリクス社長は、VWのMEBを用いたフォードのEVを設計し、欧州の工場をEV生産用に改修するには4年は必要と時間がかかる旨を表明した。
閉じる