開票の結果、野党CHP党候補のイマモール氏が54%の票を獲得、与党AKP党候補のユルドゥルム氏の得票率は約45%だった。市場は選挙結果を好感。トルコリラはドルに対して上昇し、トルコの株式指数トルコイスタンブール100指数は約2%上昇した。
市長選挙は3月に行われ、野党候補のイマモール氏が僅差で勝利していた。しかしAKPが選挙に不正があったと主張したため、選挙管理委員会は選挙結果を無効とし、今回の再選挙となっていた。...
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開票の結果、野党CHP党候補のイマモール氏が54%の票を獲得、与党AKP党候補のユルドゥルム氏の得票率は約45%だった。市場は選挙結果を好感。トルコリラはドルに対して上昇し、トルコの株式指数トルコイスタンブール100指数は約2%上昇した。
市長選挙は3月に行われ、野党候補のイマモール氏が僅差で勝利していた。しかしAKPが選挙に不正があったと主張したため、選挙管理委員会は選挙結果を無効とし、今回の再選挙となっていた。再選挙の決定がなされたことに対して非難の声が起こり、今回の再投票では、野党候補のイマモール氏が初回投票よりもリードを広げ、勝利した。
専門家は「イスタンブール市長の職は、大きな権力の座だ。アンカラは首都だが、イスタンブールはまさにトルコの中心で、政治の中心だからだ。」と語った。さらに「最近行われた複数の選挙では、エルドアン大統領の得票率が劇的にではないが徐々に下がっていた。そして経済は非常に危険な状態にある。そのため与党AKPとエルドアン大統領はこれまでのような力を維持するのが困難になってきている」とも指摘した。また、あるアナリストは、今回の選挙結果は「トルコの民主主義にとっての大きな勝利で、市場にとってベストの結果だ」と語った。
トルコが国内外の課題を抱え不安定な情勢にある中、今回の選挙結果をうけて、エルドアン大統領が政治的、経済的な改革に動かざるをえないという期待が高まった。株式市場や為替市場で好意的な反応がみられたことは、エルドアン大統領が今後は経済立て直しに注力するのではないかという期待が高いことを示唆している。
『ロイター』は選挙結果への評価として次のように報じている。エルドアン大統領の“無敵のオーラ”を打ち破った。これは有権者が、同大統領の強大な権力に不満を持っていることを示すものだ。トルコ政治を変えるきっかけとなるかもしれない。今回の選挙の結果、トルコの3大都市をすべて野党が押さえた形となったからだ。エルドアン大統領のAKP党の結束がほころびを見せはじめるかもしれず、経済の問題がさらに表面化するかもしれない。
専門家の見解も紹介している。専門家は「野党が大きな差をつけての勝利だったことから考えると、今回の選挙結果が今後のトルコ政治に大きなインパクトを与えるのは確実だ。AKPによる支配に対する警告だ」と語った。
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