批評家は、この動きはユネスコ世界遺産である太平洋の群島の脆弱な環境を危険に晒し、エクアドルの主権も危うくする可能性があるという。
6月初めの記者会見で、エクアドルのオズワルド・ジャリン国防相は、本土から千キロメートル離れたガラパゴス諸島は、「天然の空母」の機能を果たしていると述べた。
米空軍は主に麻薬取締作戦に関わる航空機の給油のためにサンクリストバル島を利用し、同島の小規模な空港の改良の費用を出すとジャリン国防相は述べた。...
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批評家は、この動きはユネスコ世界遺産である太平洋の群島の脆弱な環境を危険に晒し、エクアドルの主権も危うくする可能性があるという。
6月初めの記者会見で、エクアドルのオズワルド・ジャリン国防相は、本土から千キロメートル離れたガラパゴス諸島は、「天然の空母」の機能を果たしていると述べた。
米空軍は主に麻薬取締作戦に関わる航空機の給油のためにサンクリストバル島を利用し、同島の小規模な空港の改良の費用を出すとジャリン国防相は述べた。
厳しい批判を受けて、ジャリン国防相は月曜日、ガラパゴス諸島が米軍の駐屯地やいかなる恒久的な基地になることはないと強調した。左派のラファエル・コレア前総理大臣のときに修正された憲法で、外国の軍事基地はエクアドルでは違法である。
コレア氏は計画を非難し、次のようにツイートした。「ガラパゴスは外国人が使う空母ではない。ガラパゴスはエクアドルの一地方であり、世界遺産の、愛国心の強い土地である」
チャールズ・ダーウィンの進化論に影響を与えた豊かな生物多様性で有名なガラパゴス諸島は、1978年ユネスコの世界遺産に登録された。
ユネスコによれば、19の火山島と周辺海域は「優れた普遍的な価値」があると見なされている。ガラパゴス諸島はガラパゴスゾウガメやペンギン、フィンチ、鷹およびイグアナなど固有の生物種の住み家となっている。豊富な海洋生物には、シュモクザメやジンベイザメを含むサメ類やオニイトマキエイ、トビエイおよびアシカなどがいる。
滑走路建設中のサンクリストバル島は、ガラパゴス諸島で5番目に大きい島である。米国の非営利のガラパゴス保護団体によれば、同島は人口約5,400人で、サンタ・クルス島に次いで人口が多い。目立って大きいアシカの集団を目当てに訪れる観光客が多い。
先週、エクアドル議会は、ガラパゴス選出の女性議員のブレンダ・フロア氏が提出した、ジャリン国防相、マルセロ・マタ環境相およびガラパゴス地方議会のノーマン・レイ議長の国会喚問決議案を可決した。
ジャリン国防相は米軍との連携の範囲について答えねばならず、またマタ環境相とレイ議長は環境への影響の可能性を問われるだろう。
フロア氏はフェイスブックに次のように投稿した。「私は自分の地方に警戒を怠らないし、これらの活動による影響を気にしており、世界遺産のエコシステムへの影響も気になる」
ツイッターに掲載した声明でレイ議長は、「今も、これからも、ガラパゴ諸島に外国の軍事基地ができることはない」と述べた。
ガラパゴス諸島の環境に関する大きな懸念はすでに存在する。国際ガラパゴス旅行業協会によれば、ガラパゴス諸島を訪れる観光客数は2007年の16万1千人から、2016年には22万5千人に増加しており、業界へのより厳しい規制が必要となっている。
2018年ユネスコは、現状の観光客の増加と脆弱な環境への影響は引き続き留意が必要な事項だと警告し、違法漁業、プラスチックごみも環境上の厄介な問題として挙げている。
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