同紙の報道を受けて、
『CNN』や技術紙などがその内容を伝えた。ニューヨーク・タイムズによれば、ロシアのシステムに壊滅的な被害をもたらす可能性のあるマルウェアを埋め込む措置が取られるのは初めてだが、同国に警告を発するだけでなく、両国間に重大な紛争が起きた場合、米国がサイバー攻撃を行えるよう態勢を整えておく意図がある。
今回のロシアに対する措置は、昨年議会で可決された新法の下で成されたものと思われる。...
全部読む
同紙の報道を受けて、
『CNN』や技術紙などがその内容を伝えた。ニューヨーク・タイムズによれば、ロシアのシステムに壊滅的な被害をもたらす可能性のあるマルウェアを埋め込む措置が取られるのは初めてだが、同国に警告を発するだけでなく、両国間に重大な紛争が起きた場合、米国がサイバー攻撃を行えるよう態勢を整えておく意図がある。
今回のロシアに対する措置は、昨年議会で可決された新法の下で成されたものと思われる。新法では、米国防長官は、大統領の特別な承認がなくても、サイバー空間での通常の軍事機密行動を命じることができる。ニューヨーク・タイムズは、国防総省は2020年の大統領選を見据え、抑止力の必要性を指摘して、本措置を正当化したとしている。
トランプ米大統領は昨夏、国防総省の管轄下にあり、サイバー空間での攻撃・防御活動を実行する米サイバー軍に新たな権限を与え、同軍司令官のポール・ナカソネ大将が、大統領の承認なしに攻撃的な作戦を実行することを可能とする機密命令を発出した。ナカソネ氏は同紙の質問には答えなかったが、このところ、米国へのサイバー攻撃には、攻撃国のネットワーク内で積極的な防御行動を取る必要があるとの考えを示していた。
米政府は、新たな権限の下で行われた措置について明らかにしていないが、同紙は、現在そして過去の米政権当局者2人から過去3カ月の間に得られた情報として、米国はロシアの送電網を2012年以降調査していたとしている。国家安全保障会議の関係者らはコメントを控えたが、今回の報道により、国家安全保障上の懸念が生じることはないと述べた。
ニューヨーク・タイムズは、当局者らによれば、トランプ大統領は、ロシアの送電網ほかの標的に、偵察や攻撃を目的とした米国のプログラムを埋め込むという、サイバー空間でより積極的な態勢の整備へと転じた新たな戦略の詳細を伝えられていなかったと報じた。
米国防総省や情報機関の当局者らは、トランプ大統領に詳細を説明することを躊躇する傾向があると指摘した。大統領の反応の仕方や、方針を覆したり、情報を外国の当局者らに漏らしたりする可能性を懸念しているからだという。トランプ氏は2017年、ロシア外相らとの会合で、シリアでの軍事行動に関する高度な機密情報を提供したとされている。
閉じる