世界最大規模の環境保護団体である世界自然保護基金(WWF)が12日に公表した研究結果によると、人間は1週間にクレジットカード1枚分に相当する5グラムのプラスチックを摂取している可能性があることが判明した。
『CNN』や
『ロイター通信』などのメディアが報じた同研究は、WWFが豪ニューカッスル大学に委託して実施され、52の他の研究結果に基づくものである。これによると、人間が日常生活で体内に取り込む微小なプラスチックは、1週間あたり2,000粒前後で、重さにすると約5グラム、クレジットカード1枚分になるという。
同研究の報告書は、「2000年以降、世界はそれ以前の総量と同程度の量のプラスチックを生産しており、その3分の1が自然界に流出している。...
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『CNN』や
『ロイター通信』などのメディアが報じた同研究は、WWFが豪ニューカッスル大学に委託して実施され、52の他の研究結果に基づくものである。これによると、人間が日常生活で体内に取り込む微小なプラスチックは、1週間あたり2,000粒前後で、重さにすると約5グラム、クレジットカード1枚分になるという。
同研究の報告書は、「2000年以降、世界はそれ以前の総量と同程度の量のプラスチックを生産しており、その3分の1が自然界に流出している。」と指摘した。「マイクロプラスチック」と呼ばれる5ミリ以下の小さな粒子が、食べ物や飲料水、そして大気中に存在する。元々は洋服の化学繊維や歯磨き粉、放置されたプラスチックごみなどに含まれていたものだが、川や海に流出すると魚や海の生物がこれを食べ、食物連鎖に組み込まれる。
プラスチックの最大の摂取源は飲料水で、90%近くの量を占める。人間は平均、水からだけで1週間に1,769粒のマイクロプラスチックを摂取している。水道水だけでなく、ボトル入りの水やビールなどにもプラスチックは含まれている。
但し、水のプラスチック汚染の度合は地域によって異なる。例えば米国では、調査した水道水サンプルの94.4%にマイクロプラスチックが含まれており、1リットル当たり9.6粒だった。欧州の水道水はそれより量が少なく、プラスチックが含まれていたサンプルは72.2%で、1リットルあたり3.8粒だった。しかし、プラスチック汚染は広く拡散しており、その影響を受けていない場所はないと報告書は断言した。
もう1つの大きな摂取源は甲殻類や貝類で、平均で毎週182粒のマイクロプラスチックが摂取され、0.5グラムに相当する。それらが汚染された海域でプラスチックを飲み込み、人間は消化管なども含めて丸ごと食べることが多いためだと考えられている。
マイクロプラスチックは大気中にも含まれる。報告書は、大気から吸入する量は無視できる程度だが、環境によって大きく異なるとした。プラスチックが人間の健康にもたらす影響はまだ解明されていないが、悪影響があると判明した場合でも、プラスチックは環境から完全に取り除くことが困難なため、先ずは生産を抑えることが重要であるという。
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