インド北部ウッタランチャル州民政府長官のビジャイ・クマール・ジョグダンデ博士は、行方不明の登山家のものと思われる遺体は、軍のヘリコプターが、激しい降雪と強風のため捜索が中断される前日に撮影した高解像度写真により特定されたと述べた。
ジョグダンデ博士は、救助チームは、遺体が視認された標高5千メートル地点へ登山チームを派遣できないかを検討しているという。
英国人登山家のマーティン・モラン氏が経営するスコットランドのモラン・マウンテン社によると、モラン氏の率いるチームは、未踏峰で標高6,477メートルのナンダ・デヴィ東峰への登攀を5月13日に開始した。...
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インド北部ウッタランチャル州民政府長官のビジャイ・クマール・ジョグダンデ博士は、行方不明の登山家のものと思われる遺体は、軍のヘリコプターが、激しい降雪と強風のため捜索が中断される前日に撮影した高解像度写真により特定されたと述べた。
ジョグダンデ博士は、救助チームは、遺体が視認された標高5千メートル地点へ登山チームを派遣できないかを検討しているという。
英国人登山家のマーティン・モラン氏が経営するスコットランドのモラン・マウンテン社によると、モラン氏の率いるチームは、未踏峰で標高6,477メートルのナンダ・デヴィ東峰への登攀を5月13日に開始した。チームは英国人4人、アメリカ人2人、オーストラリア人1人とインド人の連絡係1人で構成されていた。
インド山岳会の広報担当のアミット・チョードゥリー氏によると、登攀隊の位置は5月26日までは把握されていたという。無線で登攀隊とベースキャンプの4人の連絡が取れていたという。
モラン氏がなぜ未踏峰を選んだかは、まだ明らかになっていない。
登山家で山岳会会員のマニンダー・コーリ氏によると、モラン氏は新しい山に挑戦することに情熱を持っていることで知られていたという。
インドはナンダ・デヴィ主峰への登攀を認めていない。主峰とともに周りの峰々の中央に鎮座する、主峰よりわずかに低いナンダ・デヴィ東峰への登攀しか許可していない。登山家はナンダ・デヴィ主峰のことを悪魔のように難しいという。
「ナンダ・デヴィ東峰に比べれば、エベレストはピクニックのようだ」とコーリ氏はいう。「エベレストに登攀する人は、ナンダ・デヴィに足を踏み入れることすらできないだろう。最も技術的に優れた能力あるもののみ登攀を目指すことができる」
世界最高峰のエベレストを多くの登山家が目指すのに対し、「至福を与える女神」という意味のナンダ・デヴィは、筋金入りの登山家に対し、独特のオーラを持っている。頂上に到達したものはほとんどなく、多くはその途上で亡くなっているからだ。
コーリ氏は、ナンダ・デヴィ東峰は雪崩が起きやすく、「カミソリのように薄い稜線」と914メートルの断崖という恐ろしい地形をしているという。
ヒンドゥー教徒にとって、ヒマラヤの高貴な威厳がそれを神々の座とし、それゆえ、そこは神聖な場所である。伝説では、女神が治るナンダ・デヴィはかつて王女で、言いよる王子から逃れ、峰に登り、そのひとつとなったという。
登攀の出発点にいくだけでへとへとになる。それにはまずインドの首都のニューデリーから列車で6時間かけウッタランチャル州のカトゴダム駅に着く。ここから車で10時間かけ標高2,290メートルのムンシアリに着く。ここで宿泊したり、荷物を運ぶラバを雇うことができる。ムンシアリから90キロメートル歩きナンダ・デヴィのベースキャンプにつく。この間は、森と氷河、滝や荒々しく雷鳴のような音を立てるゴリ・ガンガ川を越えていかなければならない。
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