英消費者団体の「Which?」は16日、インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムのサイトでは、普段名前を聞かないようなメーカーの商品に付けられた偽の「5つ星」最高評価のレビューが非常に多く見られるとの調査結果を明らかにした。
英
『BBC』『ガーディアン』を始め、多くのメディアが報じた。英消費団体の「Which?」は、アマゾンで販売されているヘッドフォンやスマートウォッチ、運動量や睡眠の質などを自動計測する装着型のフィットネストラッカーなど、14種類の人気のハイテク商品の内、高い評価を受けているものは、有名ブランド製品ではなく、知名度の低いメーカーのものが殆どであると指摘した。また、消費者のコメントの真偽は確かめようもなく、投稿者が実際にその商品を購入したり、使ったりした証拠もないと説明している。
アマゾンは、偽レビューを排除する自動化技術を使用しており、「信頼できないレビューは1つでも望ましくない。」との見解を示した。他の買い物客と知見や経験を共有したいとの顧客の意向を理解し、レビューシステムの保護に多額の投資を行っているという。
しかしながら、「Which?」の調査は、アマゾンのサイトには偽レビューが非常に多くみられるとしている。例えば、ヘッドフォンを探すと、商品検索結果の1頁目に表示された商品は全て耳慣れないブランドのものだった。専門家らも知らないメーカーの製品であり、同団体やメディアが、これらメーカーに連絡を試みても、反応はなかった。
そして、これらの商品への約1万2000件のレビューの内、87%は投稿者が実際に商品を購入したか判らないものだった。また、例えば「Celebrat」という無名ブランドのヘッドフォンには、レビューが439件投稿されていたが、全て5つ星で、誰が書いたか確認できず、しかも同日に出されていることから、機械で自動的に発信されたものと思われる。
同団体は、偽レビューを見破るための方法として、以下のような注意事項を挙げた。星の数に頼らず、十分な調査を行いレビューの内容をよく読む。レビューの日付を確認し、短期間に多くが投稿されていたら、機械配信された偽レビューの可能性がある。投稿者がアマゾンで購入したと確認できるレビューを選択する。高評価ばかりの商品には用心する。
今回の調査結果を受けて「Which?」は、消費者は評価レビューを参考程度のものと考え、鵜呑みにしないようにと警告した。家庭製品部門の責任者ナタリー・ヒッチンズ氏は、商品購入に当たり調査を行う際には、独立した信用できる情報源に頼るよう勧めている。
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