米シンクタンクのピュー研究所が15日に公表した調査結果によると、米国人の8割以上が、イスラム教徒は差別に直面していると考えていることが判明した。今回の調査ではまた、ユダヤ人が差別に直面していると認識する人の割合が急上昇している。
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『CNN』などのメディアが18日までに報じた同研究所の調査は、マイノリティー・グループ(社会的少数者)に関する米国人の意識に関するもので、3月20~25日、無作為に選んだ1,503人の成人に対し、固定電話または携帯電話による質問形式で行われた。
これによると、イスラム教徒は米国社会で何らかの(「多くの」または「多少の」)差別に直面していると考える米国人の割合は82%で、黒人、ヒスパニック、同性愛者などを上回り最高となった。...
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『CNN』などのメディアが18日までに報じた同研究所の調査は、マイノリティー・グループ(社会的少数者)に関する米国人の意識に関するもので、3月20~25日、無作為に選んだ1,503人の成人に対し、固定電話または携帯電話による質問形式で行われた。
これによると、イスラム教徒は米国社会で何らかの(「多くの」または「多少の」)差別に直面していると考える米国人の割合は82%で、黒人、ヒスパニック、同性愛者などを上回り最高となった。黒人への何らかの差別を認識する人の割合は80%だった。
イスラム教徒への差別についての認識を支持政党別に見ると、民主党派(民主党支持者または同党寄りの無党派層)の4分の3が、イスラム教徒は「多くの」差別を受けていると回答し、2013年調査時の56%から大きく上昇した。一方、共和党派(共和党支持者または同党寄りの無党派層)では、13年の31%から今回の34%とさほど変わらなかった。
今回の調査では、ユダヤ人が差別を受けていると回答した人の割合が、急増しているのも大きな特徴だ。米国人の24%が、米国社会にはユダヤ人に対する「多くの」差別があると回答したが、これは2016年の調査時から11ポイント増加し、支持政党別に見てもさほどの違いはなかった。これに「多少の」差別があるとする人を加えた、何らかの差別を認識している人では、16年の44%から今回の64%へと20ポイントもの増加となった。
女性に対する何らかの差別を認識する人も増えており、2013年調査時の60%から69%に増加した。これについては支持政党による違いが大きく、民主党派で「多くの」差別があるとした人は、13年の24%から今回の44%へと20ポイントの上昇だったのに対し、共和党派では、今回10%と1ポイントの上昇にとどまった。
調査に対する回答の傾向は、人種による差異が大きい。黒人の73%は黒人に対する「多くの」差別があると回答し、ヒスパニックで同様の回答をした人は63%だった。白人については支持政党別に大きく回答が分かれる。民主党派の3分の2が黒人に対する「多くの」差別を認識しているが、共和党派では16%にとどまり、共和党派の20%以上が、白人が「多くの」差別を受けていると答えたのに対し、民主党派では4%だけだった。
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