米イースタン・イリノイ大学の政治学者がこのほど行った米国人の宗教観に関する調査で、自分は「無宗教」と回答した人が、カトリック教徒やキリスト教福音主義派の数をわずかに上回り、最多となったことが判明した。
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『CNN』などのメディアが14日までに報じた本調査は、イースタン・イリノイ大学の政治学者でバプテスト派の牧師であるライアン・バージ氏が、長期間にわたる総合社会調査を分析したもので、2,000人以上の米国人を対象に個別面談形式で実施した。
これによると、23.1%の人が自らを「無宗教」であると回答し、カトリック教徒の23.0%、キリスト教福音主義派の22.5%をやや上回った。但し、これら3つのグループの人数の割合は、それぞれ互いの誤差の範囲内にあり、統計上は概ね同数と見なされる。...
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『CNN』などのメディアが14日までに報じた本調査は、イースタン・イリノイ大学の政治学者でバプテスト派の牧師であるライアン・バージ氏が、長期間にわたる総合社会調査を分析したもので、2,000人以上の米国人を対象に個別面談形式で実施した。
これによると、23.1%の人が自らを「無宗教」であると回答し、カトリック教徒の23.0%、キリスト教福音主義派の22.5%をやや上回った。但し、これら3つのグループの人数の割合は、それぞれ互いの誤差の範囲内にあり、統計上は概ね同数と見なされる。
米国では、多くの人が組織化された宗教を拒絶する傾向が強まっている。無宗教と回答した層は、無神論者、不可知論者などの他、神の存在を信じるが、特定の宗教を信仰しない人々なども含まれる多様なグループであり、必ずしも宗教を否定する人ばかりではない。組織的な宗教を拒絶することを共通項としている。
バージ氏によれば、調査では信仰する宗教などに関し、同じ質問を44年間設けてきたが、今回のような順位となったのは初めてだという。無宗教派の急増は1990年代に始まり、その人数は91年以降266%増加しており、同氏は、無宗教派は今後4~6年の間に、圧倒的に最大勢力となるだろうとの予測を示した。
無宗教派の増加の背景にある要因については議論がある。インターネットの普及を理由に挙げる専門家もおり、同じ考えの仲間を見つけ、自分だけが無宗教ではないと感じるコミュニティーを構成しやすいと分析している。また、1980年代以降に生まれたミレニアル世代がこうした変化を起こしているとの考えもあり、事実の究明に熱心で世界について好奇心の旺盛な米国人が増加していると指摘する。
無宗教の人が急増しているのに対し、カトリック教徒と回答した人の割合は、1972年の27%から2018年の23%へとやや減少した。主流派のプロテスタントは、同28%から11%へ急減し、キリスト教福音主義派は、1990年代初頭をピークに若干減少した。他の宗教を信仰する米国人は、2018年現在で14%を占めている。
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