世界最大の航空機「ストラトローンチ」が13日、米カリフォルニア州のモハベ砂漠上空で初の試験飛行に成功した。同機は人工衛星を搭載したロケットを上空で発射することを目指して開発されたものであり、同構想の実現に向けて一歩前進した。
『AFP通信』や
『CNN』などによると、「ストラトローンチ」の初の試験飛行では、元空軍戦闘機のパイロットが同機を操縦し、最高速度は時速約300キロ、高度約5000メートルに達し、約2時間半飛行して無事帰還した。パイロットは「ほぼ予想通りに飛行できた。全体として素晴らしく、最初の飛行としては、これ以上は望めない。」と語った。
ストラトローンチは、米IT企業大手マイクロソフトの共同創業者、故ポール・アレン氏と、米航空機・宇宙機メーカー、スケールド・コンポジッツの創業者バート・ルータン氏が設立した航空宇宙企業ストラトローンチ・システムズ社が開発した航空機だ。...
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『AFP通信』や
『CNN』などによると、「ストラトローンチ」の初の試験飛行では、元空軍戦闘機のパイロットが同機を操縦し、最高速度は時速約300キロ、高度約5000メートルに達し、約2時間半飛行して無事帰還した。パイロットは「ほぼ予想通りに飛行できた。全体として素晴らしく、最初の飛行としては、これ以上は望めない。」と語った。
ストラトローンチは、米IT企業大手マイクロソフトの共同創業者、故ポール・アレン氏と、米航空機・宇宙機メーカー、スケールド・コンポジッツの創業者バート・ルータン氏が設立した航空宇宙企業ストラトローンチ・システムズ社が開発した航空機だ。
同機はスケールド・コンポジッツが製造した。ボーイング747型機のエンジンを6基搭載した巨大な双胴機で、全長は約73メートル、重量は約230トン。双胴の機体の両側に操縦室があるが、飛行時には片方のみ使用する。翼幅は史上最長の117メートルで、アメリカンフットボール場の幅に近い。欧州の航空宇宙機器大手エアバス社による超大型旅客機A380型機の翼幅は80メートルに満たないが、その約1.5倍ある。
ストラトローンチは、人工衛星を搭載したロケットを空中で発射し、低軌道に衛星を投入するよう設計されている。空中発射のために必要な設備は長い滑走路だけなので、垂直にロケットを打ち上げるより、燃料を節約してより安価に、天候の影響も余り受けず、より柔軟な方法で衛星を宇宙に送ることができる。ストラトローンチ・システムズは、米軍や民間企業、そして米航空宇宙局(NASA)にも、この方法を推奨しようとしている。
同社のジーン・フロイド最高経営責任者(CEO)は、モハベ空港の格納庫で記者会見し、「ついにやった。何と素晴らしい初飛行だろう。」と述べ、「今日の飛行は、地上発射システムに柔軟な代替手段を提供する、我々の任務を前進させるものだ。」と評価した。
ストラトローンチ・システムズは、今後同機の試験飛行を繰り返し、連邦航空局(FAA)の承認を得て、来年中に初の衛星打ち上げを目指している。小型衛星の打ち上げ市場に参入する手段として同社に出資していたポール・アレン氏が、昨年10月に死去したため、同社の先行きは不透明になったという。
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