英国のメイ首相は24日、欧州連合(EU)離脱案をめぐり、閣僚や離脱強硬派議員らとの緊急会合を行った。英メディアはこれに先立ち、閣僚らがメイ首相の辞任を迫る計画を進めていると報じていた。
『ロイター通信』や
『AFP通信』などの報道によれば、EU離脱をめぐる一連の迷走状態を背景に、メイ首相に引責辞任を求める声が急速に高まっている。英日曜紙「サンデー・タイムズ」は24日、11人の閣僚がメイ氏に対するクーデターを画策し、首相の退陣を模索しているとして、首相に造反する計画があることを確認したと伝えた。
メイ首相は24日、ジョンソン前外相、リースモグ議員、ベイカー議員などの離脱強硬派とともに、リディントン内閣府担当相、ゴーブ環境相の2閣僚を英首相の別荘である「チェッカーズ」に招集した。...
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『ロイター通信』や
『AFP通信』などの報道によれば、EU離脱をめぐる一連の迷走状態を背景に、メイ首相に引責辞任を求める声が急速に高まっている。英日曜紙「サンデー・タイムズ」は24日、11人の閣僚がメイ氏に対するクーデターを画策し、首相の退陣を模索しているとして、首相に造反する計画があることを確認したと伝えた。
メイ首相は24日、ジョンソン前外相、リースモグ議員、ベイカー議員などの離脱強硬派とともに、リディントン内閣府担当相、ゴーブ環境相の2閣僚を英首相の別荘である「チェッカーズ」に招集した。
リディントン氏とゴーブ氏は、メイ首相が辞任した後の暫定首相候補として名前が取りざたされているが、2人の閣僚はそうした報道を一蹴した。リディントン氏は、メイ首相は「素晴らしい仕事をしていると思う。」と述べ、ゴーブ氏も「船長を交代させる時期ではない。」として、首相の辞任を求める動きを否定した。
英首相府の報道官は、「会合では、今週下院で、離脱案について再び意味のある採決をするために十分な支持が得られるかなど、様々な問題を論議した。」と説明した。首相は同会合で離脱強硬派から、離脱案を承認して欲しければ、辞任の時期を明確化するようよう求められたとの報道もある。メイ首相は25日、離脱案は再度の採決を行えば否決される可能性が高いと認めた。反対派議員の説得に努める意向だが、目途は立っていない。
ハモンド財務相も首相の交代では、行き詰まりを打開できないと指摘している。但し、議会がメイ首相の離脱案を支持することは、不可能かも知れないとの見方を示した。財務相は英「スカイニュース」に対し、「もしそうであれば、議会は何に反対するかだけでなく、何を支持するかを決めなければならない。」と語った。
ハモンド財務相は、再度の国民投票の可能性についても排除しなかった。財務相は、「筋の通った提案であるし、他の提案とともに考慮する価値はある。」と述べた。23日には、ロンドン中心部で再度の国民投票を求める大規模デモが行われており、離脱の中止を政府に求めるネット上の請願には、24日現在で、500万人超の署名が集まったという。
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