米軍制服組トップのジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長は21日、首都ワシントンのシンクタンク「大西洋評議会(Atlantic Council)」で開催されたフォーラムで講演し、第5世代(5G)移動通信システムの覇権を握ることが、米国の安全保障にとって極めて重要であるとして、通信網の構築に一層取り組むよう産業界に要請した。
『AFP通信』は21日、ダンフォード氏の講演について報じた。同氏は、遠隔通信の開発について中国と激しい主導権争いをしている米国にとって、5Gにおける覇権を握ることは国益に合致するとして、米産業界は一段と開発を強化する必要があると述べた。
ダンフォード氏は、「もし我々がその点でトップに立てなければ、5Gを信頼できなくなり、競争上不利な立場に立たされる。」と指摘した。さらに、5G技術に基づくシステムは「信頼できるものでなければならない」し、市場をけん引する中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)のような外国企業の技術に依存することは、安全保障上のリスクとなると警告した。...
全部読む
『AFP通信』は21日、ダンフォード氏の講演について報じた。同氏は、遠隔通信の開発について中国と激しい主導権争いをしている米国にとって、5Gにおける覇権を握ることは国益に合致するとして、米産業界は一段と開発を強化する必要があると述べた。
ダンフォード氏は、「もし我々がその点でトップに立てなければ、5Gを信頼できなくなり、競争上不利な立場に立たされる。」と指摘した。さらに、5G技術に基づくシステムは「信頼できるものでなければならない」し、市場をけん引する中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)のような外国企業の技術に依存することは、安全保障上のリスクとなると警告した。世界中で自社の技術が導入されることを目指すファーウェイと、欧州諸国との交渉状況も考慮した発言と思われる。
米政府は、中国政府がファーウェイの技術を利用して通信を監視しているとの強い疑念を抱いており、それは安全保障上のリスクとなるとしている。米国は、同盟各国に同社の技術を採用しないよう要請しており、最近ではドイツに対し、5G通信網の整備に同社の参加を認めないよう圧力をかけた。
ダンフォード氏は、「5Gであろうとなかろうと、今日そして将来においても、同盟国と情報交換を行うための我々の能力や意欲は、そうした情報を保護する同盟国側の能力に基づいている。」と同盟各国との関係を強調している。
『AP通信』は21日、同フォーラムでダンフォード氏はまた、米グーグルの幹部社員と来週面会する予定を明らかにしたと報じた。同氏は、グーグルの中国での人工知能(AI)関連事業が、中国軍に米国の技術を入手・利用する機会を与えていると警戒感を示した。
グーグルは中国でのAI事業は、教育・研究目的に特化したものであり、中国軍のための業務はしていないと主張しており、サイバーセキュリティや要員の採用、医療などの分野で、国防総省など米政府の仕事を引き続き請け負う意向を表明している。
閉じる