国連の専門機関、世界知的所有権機関(WIPO)は19日、国際特許の出願に関する年次報告を発表し、2018年の出願件数の過半数をアジア諸国が占めたことを明らかにした。企業別では、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が最多記録を更新している。
WIPOは、特許や商標などの知的財産保護の国際的な推進のための活動を行い、知的財産権に関する条約や国際登録業務の管理運営などを行っている。
『AFP通信』『ロイター通信』などが報じたWIPOの年次報告によれば、2018年も国別の出願件数で最多を記録したのは米国だった。しかし、地域別にはアジア諸国の出願件数が引き続き急増しており、技術革新が「西洋から東洋へ」と移動していることが、さらに明確になった。
WIPOのフランシス・ガリ事務局長は声明で、「アジアは今や、WIPO経由での国際特許出願件数の過半数となる50.5%を占めている。...
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WIPOは、特許や商標などの知的財産保護の国際的な推進のための活動を行い、知的財産権に関する条約や国際登録業務の管理運営などを行っている。
『AFP通信』『ロイター通信』などが報じたWIPOの年次報告によれば、2018年も国別の出願件数で最多を記録したのは米国だった。しかし、地域別にはアジア諸国の出願件数が引き続き急増しており、技術革新が「西洋から東洋へ」と移動していることが、さらに明確になった。
WIPOのフランシス・ガリ事務局長は声明で、「アジアは今や、WIPO経由での国際特許出願件数の過半数となる50.5%を占めている。経済的に活発な同地域にとって、それは重要な節目であり、技術革新の活動が、歴史的・地理的に西から東へと移動していることを強調している。」と述べた。
WIPOの国際特許の登録制度は複雑で、複数の類型がある。主要類型の特許協力条約(PCT)に基づく出願件数では、米国が5万6,142件で首位、中国が5万3,345件で2位、日本が4万9,702件で3位だった。中国は過去の件数の推移から、今年或は来年、米国を抜いてトップとなる見込みだ。中国の出願件数は1993年には1件だったが、2017年には日本を抜き、18年も前年比9.1%増だった。一方米国は18年、同0.9%減だった。
上位3カ国と4位以下との間には大きな差があり、ドイツと韓国がそれぞれ4位、5位となったが、出願件数はともに2万件に達しなかった。インドは昨年、出願件数が最も大きく伸びた国であり、2017年の1,583件から27.2%増の2,013件を記録した。
企業別では、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が2018年、一企業が年間に申請する件数としての過去最高記録であった昨年の4,024件を更新し、5,405件を出願している。2位は日本の三菱電機で2,812件、3位は米インテルで2,499件だった。企業別でもアジア企業が上位8社中6社を占め、躍進している。
この他大学や教育機関別の出願件数も報告されており、米カリフォルニア大が他を大きく引き離す501件で首位、米マサチューセッツ工科大、中国の深圳大学がこれに続いた。中国は上位10校中に4校がランクインしている。
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