英国で15日、全国の学校の生徒ら数千人が気候変動への対策を求めるデモを決行した。ロンドンの国会議事堂前の広場パーラメントスクエアでの集会に数百名が参加した他、国内数十都市で抗議活動が行われた。授業を休んでデモに参加することについて、容認する学校も多かったという。
『AFP通信』や英
『BBC』『デイリー・テレグラフ』などの報道によれば、ロンドンの集会にはあらゆる年齢層の生徒や児童らが参加し、「地球を救え」と繰り返し声を上げた。問題に関する対策を求め、社会の認知度を高めるために、間に合わせのプラカードを振ったり、議事堂近辺の偉人たちの像によじ上ったりする生徒もいた。
集会に参加したロンドン出身の15歳の男子生徒は、「私たちは人類としてこの苦境に陥ったのであり、そこから脱出するのも自分たちの責任だ。」と訴えた。彼は本来登校している筈であることを強調するため、学校の制服を着て参加したが、「それは政治家へのメッセージになるばかりでなく、皆に問題への認識を広める方法にもなる。」と説明した。
生徒らは政治家に対し、欧州連合(EU)離脱の問題を早期に解決し、環境問題などの「より重要な問題」に集中するようにと要求した。デモはロンドンの他、オックスフォード、ブライトン、中部のマンチェスターやリーズなど英国の数十都市で実施された。
多くの生徒らが、自分の学校は「気候のための若者のストライキ(Youth Strike 4 Climate)」と称するイベントに参加することに理解を示してくれたと話している。同イベントは欧州全体で行われている運動の一環であり、ベルギー、フランス、ドイツ、スウェーデン、スイスなどで同様のデモが行われている。
ベルギーでは、6週ほどにわたり木曜日にブリュッセル他の都市で若者が抗議活動を行ってきたが、14日には約1万1,000人がブリュッセルに集結し、デモを実施した。また15日には、仏パリ、独ポツダム、ミュンヘンなどの欧州の都市でもデモが行われた。
この運動は、スウェーデンの16歳の女子生徒グレタ・トゥンベリさんが昨年、毎週金曜、ストックホルムの議会前で気候変動に取り組むよう、単独で行った抗議活動に触発されて欧州各国に広まったものである。英首相官邸が今回のデモについて、先生たちが準備した授業時間を無駄にしたと述べたことに対し、トゥンベリさんは、政治家らが30年間、何の行動も起こさずに時間を無駄にしたことの方が問題であるとしている。
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