シディ・フレディ地区は、かつては貧困な地域として知られ、多くの住民は生計のため、外国への移民を考えていた。 化粧品研究や食品としての新しい使い道により、この数年、ウチワサボテンの生産が活発化しており、この地方もその恩恵を受けている。
これまでは、ウチワサボテンは風味に富んだ、甘みのある果肉を味わうフルーツとして栽培されていたが、今や過去の10倍の価格に値上がりしている。
ウチワサボテンは、メキシコ原産のサボテンの一種で、15世紀のアメリカ大陸発見以降、地中海周辺地域で広く栽培されるようになった。...
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シディ・フレディ地区は、かつては貧困な地域として知られ、多くの住民は生計のため、外国への移民を考えていた。 化粧品研究や食品としての新しい使い道により、この数年、ウチワサボテンの生産が活発化しており、この地方もその恩恵を受けている。
これまでは、ウチワサボテンは風味に富んだ、甘みのある果肉を味わうフルーツとして栽培されていたが、今や過去の10倍の価格に値上がりしている。
ウチワサボテンは、メキシコ原産のサボテンの一種で、15世紀のアメリカ大陸発見以降、地中海周辺地域で広く栽培されるようになった。このサボテンの大きな平たい枝は「テニスラケット」)と呼ばれ、アルジェリアの乾燥した田園風景を象徴する植物となった。
このサボテンの効用に最初に目を付けたのが、化粧品メーカーや欧米のモード雑誌で、種子から抽出した油が、しわ防止に効果があると発表した。このサボテンの学術研究により、その他にも多くの栄養学的、薬学的効用が見出されている
ウチワサボテンの花はビタミンC、が豊富でカルシウム、マグネシウムが豊富に含まれており、ハーブ茶として飲用され、果実はジャム、ジュースもしくは食用酢の製造に利用できる。すなわち、サボテンのとげ以外は、全て活用できるという。
シディ・フレディ地区のあるソーク・アラス地方では、2013年からウチワサボテンの関連産業の育成発展を進めており、本家のメキシコから専門家を呼んで技術指導を仰いでいる。ウチワサボテン油の2018年での生産量は1000リッターであったが、今年2019年には一挙に7000リッターの生産量を目指している。1リッターのウチワサボテン油の生産には、1トン以上の種子が必要である。
ヨーロッパでは1リッターのウチワサボテン油の価格が2000ユーロ(=25万円)という。
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