オランダのステフ・ブロック外相は14日、英国の欧州連合(EU)離脱に見立てた青い毛むくじゃらのモンスターの着ぐるみとの写真をツイッターに投稿し、英離脱の期限が3月末に迫る中、国内企業に対し周到な準備を要請した。
『AFP通信』の他、英
『ガーディアン』や米
『ニューヨーク・タイムズ』などの報道によると、モンスターは、胸に赤い文字で「BREXIT」(ブレグジット=英国のEU離脱)」と書かれた白いTシャツを着て、オフィスの机の上に横たわり、同外相の業務を妨害している。同外相は困惑した表情で、「お手上げだ」というような仕草をしており、写真には、「ブレグジット」に妨害されないようにと注意を促すメッセージが添えられていた。
オランダ政府関係者はメディアに対し、同外相のツイートは、英国のEU離脱をちょっとしたユーモアを込めた堅苦しくない方法で警告したものであると指摘し、モンスターの名前も「ブレグジット」であると明らかにした。今回の「ゆるキャラ」を使った政府のキャンペーンは、意表を突いたものとしてネット上で話題になっている。
オランダ政府は、国内企業のブレグジットの影響に対する認知度が低いとして、先月から新聞広告やラジオなどを通じた大規模な情宣活動を開始しているが、モンスターを登場させたアイデアの狙いは、英国の離脱、特に3月29日の期限までに何の合意にも至らぬまま離脱することの影響について、意識を高めてもらうことであると説明している。
同政府の英国のEU離脱に関する啓発用ウェブサイトにも、この青いモンスター「ブレグジット」の写真が登場しており、オフィスで働く女性の膝の上に座り、女性がパソコンに手が届かないよう妨害している。日刊経済紙「ヘット・フィナンシェラ・ダフブラット」に掲載された政府の全面広告にも同じ写真が使われた。
同啓発用ウェブサイトには、企業が業種や事業内容などに関する質問に答えれば、英国のEU離脱がどのような影響を及ぼすかについて確認できる「ブレグジット・スキャン」という特別の機能がある。
ブロック外相は、14日のツイートで本機能についても言及し、「あなたはもうブレグジットがどのような結果をもたらすかをチェックしましたか?」と呼びかけたところ、同日だけで約1,600人がこの機能を利用した。この人数は、同サイトが昨年3月に立ち上げられて以降の1日当たり平均利用者数の8倍超になるという。
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