北朝鮮問題担当の国連の専門家パネルは、このほど安全保障理事会に提出した報告書の中で、北朝鮮は核・ミサイル開発計画をそのまま維持しており、米国の軍事攻撃に備え、空港他の施設に兵器を保管していると指摘した。
『AFP通信』や
『AP通信』などのメディアが5日までに報告書の内容を確認し、報じたところによると、専門家パネルはまた、北朝鮮による石油製品の違法な輸入、禁止されている石炭の輸出、武器の禁輸違反などが確認され、同国の制裁逃れの実態が改めて明らかになったとして、制裁には効果がなかったと述べている。
同パネルの報告は、北朝鮮が核・ミサイル開発計画を完全に放棄する可能性は低いが、制裁の解除を求めて活動を縮小することはあるかも知れないとの米情報機関の分析と概ね一致する内容となっている。...
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『AFP通信』や
『AP通信』などのメディアが5日までに報告書の内容を確認し、報じたところによると、専門家パネルはまた、北朝鮮による石油製品の違法な輸入、禁止されている石炭の輸出、武器の禁輸違反などが確認され、同国の制裁逃れの実態が改めて明らかになったとして、制裁には効果がなかったと述べている。
同パネルの報告は、北朝鮮が核・ミサイル開発計画を完全に放棄する可能性は低いが、制裁の解除を求めて活動を縮小することはあるかも知れないとの米情報機関の分析と概ね一致する内容となっている。先週、ダン・コーツ米国家情報長官は、北朝鮮の指導者らが、核兵器の能力は「体制の維持のために決定的に重要」と認識していると強調していた。
同報告書は北朝鮮の正式名を使い、「朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の核・弾道ミサイル開発計画はそのまま残っている。」とした上で、「”斬首作戦”を実質的に防止する目的で、DPRKは空港などの民間施設を利用し、弾道ミサイルの組み立てや試験を行っている。」と開発場所を分散している旨を説明している。
報告書はまた、海上の船舶を使った「瀬取り」の手法や、国内の港、空港を使用して、北朝鮮が原油や石油製品、石炭などの密輸や、大量の現金の輸送を行っていると指摘した。国連の制裁では、北朝鮮の原油の輸入を年間400万バレル、精製石油製品の輸入を年間50万バレルに制限するなどしているが、こうした制裁も効果がなかったとしている。
北朝鮮は武器禁輸措置にも違反しており、シリアやリビア、スーダンの他、イエメン内戦の当事者であるイスラム教シーア派系の反政府武装組織フーシ派などに軽量兵器を供給しようとしている。さらに国連の金融制裁にもかかわらず、北朝鮮の金融機関は少なくとも5カ国で活動しており、同国の外交官が複数の国で銀行口座の管理をしているという。
トランプ米大統領は5日の一般教書演説で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と27~28日にベトナムで2度目の首脳会談を行うことを発表した。米国は北朝鮮の核・ミサイル開発計画の放棄について、具体的な成果を得ることを目指している。
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