ことの発端は、英国の議会で、メイ首相とEUの間で合意されたEU離脱妥協案が否決されたことによる。これにより、フランス政府は英国の妥協なしのEU離脱の可能性が益々高まったと判断している。
1月17日、国務大臣たちを集めてのフランス首相官邸での閣議で、エジュアール・フィリップ首相は、早くて4月から予定される英国の妥協なしのEU離脱の準備に取りかかることを表明した。
具体的な準備内容は、5000万ユーロ(=65億円)の予算を使って、港湾や空港の税関や動物検疫書の整備工事や約600人の税関職員や獣医の雇用を4月までに完了することなどである。...
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ことの発端は、英国の議会で、メイ首相とEUの間で合意されたEU離脱妥協案が否決されたことによる。これにより、フランス政府は英国の妥協なしのEU離脱の可能性が益々高まったと判断している。
1月17日、国務大臣たちを集めてのフランス首相官邸での閣議で、エジュアール・フィリップ首相は、早くて4月から予定される英国の妥協なしのEU離脱の準備に取りかかることを表明した。
具体的な準備内容は、5000万ユーロ(=65億円)の予算を使って、港湾や空港の税関や動物検疫書の整備工事や約600人の税関職員や獣医の雇用を4月までに完了することなどである。
フィリップ首相は、「英国の妥協なしのEU離脱の可能性が高まる中で、フランス政府の責任者としては、国民に不利益が及ばないように、準備態勢は整えておかないといけない」と述べた。
英国のEU離脱対策法案はすでに去年の秋、議会に上程されており、上院で近く可決される必要がある。法案が可決された後3週間以内に、5件の行政法が閣議決定されるという。
その1つが、フランスに居住する約20万人の英国人のステイタスに関するもので、1年間はステイタス変更手続きを終えるまでEUのスタイタスなしで居住できるというものである。
いずれにせよ、英国のEU離脱はフランスを含む周辺国に種々のインフラ整備や社会制度の変更を強いることになる。
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