アフリカ中部のコンゴ民主共和国で昨年末に行われた大統領選挙で、同国の選挙管理委員会は10日、野党のフェリックス・チセケディ候補が当選したことを明らかにした。結果はまだ暫定であるが、最終確定すれば18年ぶりの政権交代となる。
『AFP通信』や
『BBC』などによると、コンゴの独立国家選挙委員会(CENI)のコルネイユ・ナンガ(Corneille Nangaa)委員長は10日、昨年12月30日に実施された大統領選の結果について、投票率は48%、野党・民主社会進歩連合(UDPS)の党首フェリックス・チセケディ(Felix Tshisekedi)氏が、暫定得票率38.57%で当選したと発表した。
投票結果の発表は6日に予定されていたが、延期されていた。...
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『AFP通信』や
『BBC』などによると、コンゴの独立国家選挙委員会(CENI)のコルネイユ・ナンガ(Corneille Nangaa)委員長は10日、昨年12月30日に実施された大統領選の結果について、投票率は48%、野党・民主社会進歩連合(UDPS)の党首フェリックス・チセケディ(Felix Tshisekedi)氏が、暫定得票率38.57%で当選したと発表した。
投票結果の発表は6日に予定されていたが、延期されていた。野党が政権を獲得するのは、コンゴが1960年にベルギーから独立して以来、初めてのことだという。委員会事務所で歴史的な結果が発表されると、集まった人々から歓声が沸き起こった。
フェリックス・チセケディ氏は、昨年亡くなったUDPSの元党首で、コンゴがザイール共和国だった時代に首相を務めたエティエンヌ・チケセディ(Étienne Tshisekedi)氏の息子で、貧困との戦いを最優先の公約として掲げていた。
コンゴでは、ジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)大統領が2016年、憲法上再々選が許されない2期目の任期を満了した後も政権の座から降りず、過去2年間は各地で抗議活動や衝突などが発生して、不安定な情勢が続いていた。同大統領は2001年、暗殺された父の後を継いで首相となった後、2006年と11年の選挙で信任・再選されて、18年にわたり政権の座にあったが、昨年辞任する意向を表明していた。
カビラ大統領が自らの後継者に指名した与党連合のエマニュエル・ラマザニ・シャダリー(Emmanuel Ramazani Shadary)前副首相兼内務・治安相は3位、野党候補で元石油会社幹部のマルタン・ファユル(Martin Fayulu)氏が2位だった。チセケディ氏の暫定得票数は約700万票で、ファユル氏は約640万票、シャダリー氏は約440万票だった。
CENIによる当初のスケジュールによると、最終結果は15日に示され、その3日後に新大統領の就任式が行われる。但し、候補者が投票結果に不服がある場合には、憲法裁判所で争う道が残されている。カビラ大統領側とチケセディ氏側の間で何らかの政治的取引があったとの報道もあり、ファユル氏はラジオのインタビューで、選挙結果は「投票箱が示す真実とは無関係」として、不正があったと訴えており、今後の対応が注目される。
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