米カリフォルニア州で11月に少なくとも89人が死亡し、約1万9,000戸の住宅や店舗などを焼き尽くした大規模な山火事について、同州のデイブ・ジョーンズ保険長官は12日、保険金の総額が90億ドル(約1兆200億円)を超えたことを明らかにした。
『AP通信』『AFP通信』などが、ジョーンズ長官の発表について伝えた。長官は11月に相次いで発生した3つの森林火災「キャンプ・ファイア(Camp Fire)」「ウールジー・ファイア(Woolsey Fire)」「ヒル・ファイア(Hill Fire)」について、保険金の合計額が90億ドルを超えたと説明したが、数字はあくまで現時点のものであることを強調した。
保険金支払いの大半を占める約70億ドル(約7,940億円)が、同州北部の「キャンプ・ファイア」関連だ。...
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『AP通信』『AFP通信』などが、ジョーンズ長官の発表について伝えた。長官は11月に相次いで発生した3つの森林火災「キャンプ・ファイア(Camp Fire)」「ウールジー・ファイア(Woolsey Fire)」「ヒル・ファイア(Hill Fire)」について、保険金の合計額が90億ドルを超えたと説明したが、数字はあくまで現時点のものであることを強調した。
保険金支払いの大半を占める約70億ドル(約7,940億円)が、同州北部の「キャンプ・ファイア」関連だ。同火災では、ビュート郡のパラダイスの町が壊滅状態となって、86人が死亡しており、近代カリフォルニア州史上、最多の犠牲者を出した山火事となった。
同州南部の数百件の家屋や店舗などを焼いた「ウールジー・ファイア」では、3人が犠牲となった。高級住宅地マリブでは、歌手のニール・ヤング氏、マイリー・サイラス氏などセレブの自宅も焼失している。同じく南部で発生した「ヒル・ファイア」は、サンタローザ・バレーの広大な地域にわたり燃え広がった。この2つの火災による保険金の支払総額は、約20億ドル(約2,270億円)と見積もられている。
ジョーンズ長官は、「2018年の大規模な山火事は、カリフォルニア州史上最悪の犠牲者と損害額をもたらした大災害だ。」と指摘し、「今日までの保険金の総額は90億ドルを超えるが、これは衝撃的な数字だ。その金額の背景には、計り知れない損害によって心の傷を負った何千人もの人々がいる。」と語った。
カリフォルニア州保険庁の広報担当ナンシー・キンケイド氏は、今回の保険金総額は、過去最高額となった昨年の山火事での支払い総額104億ドル(約1兆1,800億円)を大きく上回る可能性があるとの見通しを示した。昨年は同州のナパやソノマなどのワイン生産地を襲った山火事により、莫大な損害が発生しているが、キンケイド氏は、「昨年の記録が、あっという間に破られることもあり得る。」と述べている。
また、この一連の森林火災に関連し、カリフォルニア州および連邦当局は11日、大量に発生したがれきを片付けるための費用は、少なくとも30億ドル(約3,400億円)かかることを発表した。これも昨年の13億ドル(約1,475億円)を大きく上回る。
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