カナダ統計局が7日に公表した同国の11月の失業率は、前月比0.2ポイント減の5.6%となり、統計を取り始めた1976年以降で最低となった。カナダでは10月に嗜好目的での大麻の使用が解禁され、これが雇用の増加に大きく寄与している。
『AFP通信』や大麻関連の業界紙が、カナダの嗜好用大麻の合法化などにより、11月の同国の雇用が拡大したことを示す統計局の報告について伝えた。これによると、同月の被雇用者数は、9万4,000人増加したという。
雇用の増大は全国に及んでいる。カナダは10州と3準州から構成される連邦国家だが、6州で被雇用者数が増加し、ケベックやモントリオールなどの都市を抱える東部ケベック州や、エドモントンやカルガリーのある西部アルバータ州で特に大きく増加した。...
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『AFP通信』や大麻関連の業界紙が、カナダの嗜好用大麻の合法化などにより、11月の同国の雇用が拡大したことを示す統計局の報告について伝えた。これによると、同月の被雇用者数は、9万4,000人増加したという。
雇用の増大は全国に及んでいる。カナダは10州と3準州から構成される連邦国家だが、6州で被雇用者数が増加し、ケベックやモントリオールなどの都市を抱える東部ケベック州や、エドモントンやカルガリーのある西部アルバータ州で特に大きく増加した。ノヴァスコシア州など大西洋沿岸の4州では横ばいだった。
同国では10月17日に嗜好目的の大麻の使用が解禁され、新たな産業が誕生した。統計局は、つぼみの手入れなどを含め大麻関連の職に就いている人の数は、11月に前年同月から7,500人増加し、3.66倍の1万400人に達したとしている。大麻の需要は非常に多く、卸売業や小売店では在庫確保に苦労するほどで、同産業は今後も大きな成長が見込まれる。
大麻関連の雇用については、58%が農業関連で、残りの42%は教育、医療、小売業などの関係だ。その半数以上の5,700人分の職が、大都市トロントがあり、カナダで最も人口の多いオンタリオ州で生まれている。同州は、認可を受けた正規の大麻生産者が最も集中している地域である。
大麻関連の労働者の79%は男性で、女性は21%。平均年齢(中央値)は35歳で、他産業の40歳より若い。平均時給は29.58カナダドル(約2,500円)で、全業種の全国平均27.03カナダドル(約2,290円)よりやや高い。
全体的には11月、専門職や科学技術サービス関連で2万6,000人分の雇用が創出された他、医療、社会扶助、建設業、交通、倉庫、農業などの分野でも就業者数が増加した一方で、情報産業、文化、レクリエーション関連などの業界では減少した。民間企業では雇用が拡大したものの、公共部門や自営業の職種では就業者数は横ばいだった。世代別には、25~54歳の中核世代だけでなく、55歳以上の高齢者層でも雇用の拡大が見られた。
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