中国の習近平国家主席は4日、訪問中のポルトガルで、同国が欧州との繋がりにおいて重要であるとの認識を示し、欧州連合(EU)との協力関係を深めていく意向を明らかにした。EU諸国は、中国が欧州への影響力を増すことに対し、警戒感を強めている。
『ロイター通信』『AFP通信』などのメディアが、習近平主席のポルトガル訪問の様子を報じた。習主席は2日間滞在するが、初日に同国のマルセロ・レベロ・デ・ソウザ大統領と会談し、その後の記者会見で、「中国とポルトガルとの関係は、史上最高の時期に入っている。両国は既存のプロジェクトを発展させ、経済上の交流を深化させねばならない。」と強調した。
訪問中の日程には、両国による各種の経済協力協定への署名も含まれており、その内の1つは、ポルトガル南西部の都市シーネスにある同国の主要港を、中国政府の「一帯一路」構想に取り込むものである。...
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『ロイター通信』『AFP通信』などのメディアが、習近平主席のポルトガル訪問の様子を報じた。習主席は2日間滞在するが、初日に同国のマルセロ・レベロ・デ・ソウザ大統領と会談し、その後の記者会見で、「中国とポルトガルとの関係は、史上最高の時期に入っている。両国は既存のプロジェクトを発展させ、経済上の交流を深化させねばならない。」と強調した。
訪問中の日程には、両国による各種の経済協力協定への署名も含まれており、その内の1つは、ポルトガル南西部の都市シーネスにある同国の主要港を、中国政府の「一帯一路」構想に取り込むものである。習主席は会見で、両国は経済協力関係を構築するために、「一帯一路」構想から利益を得ることができると述べた。
習主席はさらに、ポルトガルが中国のパートナーでいることにより、「中国とEUとの戦略的パートナーシップが深まるだろう。」として、EUとの連携を強化する意向を示した。米国との貿易摩擦については言及しなかった。
ポルトガルは欧州諸国の中でも、過去数年の間に中国からの投資を最も多く受け入れている国の1つだ。中国の投資は、ポルトガルが2008年の世界的な金融危機の影響を大きく受けた後に始まったが、2010~16年にポルトガルの国内総生産(GDP)の3.6%を占めるに至っており、中国企業はエネルギー分野や、銀行、保険、医療などの業界に投資し、存在感を高めている。
こうして欧州内で強まる中国の影響力に対しては、ギリシャや一部の東欧諸国で歓迎する動きもあるが、他のEU諸国は警戒感を強めている。EUは先月、仏独が主導し、域外からの投資をスクリーニングし、規制する枠組みについて暫定合意したが、これは中国などからの投資を念頭に置くものだ。
ポルトガルのアントニオ・コスタ首相は、EUの動きをけん制し、同国は「外国による投資が、どの国からのものであるかについては心配しない。」と述べ、「EUは保護主義への道を取るべきではない。」と警告した。
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