『AFP通信』『CNN』などのメディアは、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)率いるスペースXが3日、カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から衛星64基を搭載したロケット「ファルコン9」を打ち上げたと報じた。
打ち上げは、宇宙での「ライドシェア」、即ち複数衛星を同じロケットに搭載した打ち上げを専門とする米企業スペースフライトが請け負った。同社によれば、今回の打ち上げは、一度に最多の衛星を軌道に乗せたものだという。...
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『AFP通信』『CNN』などのメディアは、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)率いるスペースXが3日、カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から衛星64基を搭載したロケット「ファルコン9」を打ち上げたと報じた。
打ち上げは、宇宙での「ライドシェア」、即ち複数衛星を同じロケットに搭載した打ち上げを専門とする米企業スペースフライトが請け負った。同社によれば、今回の打ち上げは、一度に最多の衛星を軌道に乗せたものだという。また、今回はスペースXにとって、今年19回目の打ち上げ成功であり、昨年同社が記録した年間最多回数の18回を超えた。
エンジン部分のブースターは3回目の利用となり、同社としては初となる。過去、宇宙開発企業は、何百万ドルもの費用を投じたロケット部品を、使用後にまるでゴミを捨てるように海に投下してきた。しかしスペースXは、これまでの打ち上げで30本以上のブースターを回収し、次の打ち上げで再利用することにより、費用の大幅な削減を目指している。今回も打ち上げ後数分経過すると、ブースターは切り離され、無事に太平洋のプラットフォーム上に垂直に着陸した。
さらに、「ファルコン9」ロケットの最新モデル「ブロック5」は、引退までに最大100回打ち上げられるように設計されており、また、次の打ち上げまでの間に大規模な改修をしなくても、最大10回は打ち上げの継続が可能であるという。
今回の打ち上げは、インターネットサービスやサプライチェーン監視などの新事業で小型衛星の需要が増加していることを示した。搭載されたのは、フランス、カザフスタン、韓国など17カ国の官民や大学など34顧客が所有する超小型衛星15基と、「キューブサット」49基だ。超小型衛星の重量は数十キロで、キューブサットはさらに小さく軽い。
全ての顧客が科学的任務を持つわけではない。ネバダ美術館は、芸術家トレヴァー・パグレン氏による「オービタル・リフレクター(軌道の反射板)」という光を反射し、風船のように膨張する彫刻作品を載せた。衛星から飛び出し、反射する太陽光が地上から観測できる。地球を数週間周回した後、大気圏に突入して燃え尽きるよう設計されている。
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