ドナルド・トランプ大統領は米中貿易問題に関し、これまで米国側にとって大幅赤字となっていることも然ることながら、中国による知的財産の窃取行為を大いに問題視してきた。そしてこの程、知的財産保護の一環で、中国人留学生によるスパイ行為を取締るため、留学生へのビザ発給条件の厳格化のみならず、在米留学生の通話記録のチェック等素行調査も行うことを検討していることが判った。
11月29日付
『ロイター通信』:「トランプ政権がスパイ行為取締りのため、中国人留学生への対応厳格化を検討」
米政府高官及び議会関係者情報によると、トランプ政権はこの程、スパイ行為防止策の一環で、中国人留学生の素行調査を厳格化することを検討しているという。
米国務省は今年6月、航空、ロボット工学、先端製造技術を学ぶ中国人留学生の滞在期間をこれまでの5年から1年に短縮することとした。...
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11月29日付
『ロイター通信』:「トランプ政権がスパイ行為取締りのため、中国人留学生への対応厳格化を検討」
米政府高官及び議会関係者情報によると、トランプ政権はこの程、スパイ行為防止策の一環で、中国人留学生の素行調査を厳格化することを検討しているという。
米国務省は今年6月、航空、ロボット工学、先端製造技術を学ぶ中国人留学生の滞在期間をこれまでの5年から1年に短縮することとした。国家安全保障に直接影響する知的財産の窃取等のスパイ行為防止のためとする。
しかし、現状では依然対策が不十分だとして、トランプ政権は今後、中国人留学生への対応を更に厳しくすることを検討している。
ある米政府高官及び3人の議会・大学関係者が明かすところによると、現政権は留学中の中国人学生に対して、通話記録やソーシャル・メディアのアカウントなどの内容等、素行を厳しくチェックし、米政府機関及びその関係先への不正な接続・接近行為を取締る意向であるという。
また、これから中国から送られてくる全ての留学生は、事前に厳しい承認手続きを踏むことになるとする。
ホワイトハウスは目下のところ、本件に関してコメントを差し控えている。
ただ、米国務省の高官は、米国滞在ビザ発給に当り、国益を損なうリスクが一切発生しないよう、努めていく意向であるとのみコメントした。
一方、在米中国大使館の崔天凱(ツイ・ティエンカイ)大使は、全ての中国人留学生についてスパイ行為を働く輩と決め付けるのは全く根拠がなく、また、“非常に悪い冗談”だと非難した。
なお、中国からの留学生は毎年36万人で、授業料等による大学側収入は140億ドル(約1兆5千億円)にも上るため、中国人留学生への対応厳格化によって、米国留学減少による経済的打撃を被る可能性がある。
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