ガールスカウトアメリカ連盟(GSUSA)は6日、ボーイスカウトアメリカ連盟(BSA)が、そのプログラム名から「ボーイ」を落とし、女子の受け入れとその活動を歓迎する決定をしたことを受け、BSAに対する商標権侵害訴訟を提起した。
BSAの加盟者数は数十年にわたって減少しており、その巻き返しを図ろうとしている。テキサス州アービングを本拠とし、1910年に設立されたBSAの直近の加盟者数は約228万人だが、ピークだった1970年代の半分以下に減少している。一方のGSUSAは1912年設立、ニューヨーク州マンハッタンが本拠で、加盟者数は約200万人だ。
BSAは昨年、7~10歳の男子が活動する「カブスカウト」への女子の受け入れを発表したが、今年5月、11~17歳を対象とした「ボーイスカウト」についても、2019年2月からプログラム名を「スカウツBSA」に変更し、女子の受け入れと一定の課題を達成した場合に与えられる最高位「イーグルスカウト」の称号取得を認めた。...
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BSAの加盟者数は数十年にわたって減少しており、その巻き返しを図ろうとしている。テキサス州アービングを本拠とし、1910年に設立されたBSAの直近の加盟者数は約228万人だが、ピークだった1970年代の半分以下に減少している。一方のGSUSAは1912年設立、ニューヨーク州マンハッタンが本拠で、加盟者数は約200万人だ。
BSAは昨年、7~10歳の男子が活動する「カブスカウト」への女子の受け入れを発表したが、今年5月、11~17歳を対象とした「ボーイスカウト」についても、2019年2月からプログラム名を「スカウツBSA」に変更し、女子の受け入れと一定の課題を達成した場合に与えられる最高位「イーグルスカウト」の称号取得を認めた。また、男女を問わずにメンバーを勧誘する「私をスカウトして(Scout Me In)」運動も立ち上げている。
GSUSAはこうしたBSAの動きにより、ブランド力が衰え、加盟者数も減少することになるとして、ニューヨーク・マンハッタンの同州南部地区連邦地裁に商標権侵害訴訟を提起した。GSUSAは声明で、「我々は、知的財産権や市場におけるブランド価値を保護し、名誉を守るために、どのブランドや企業、組織もしていることをした。」と述べた。
訴状でGSUSAは、BSAは女子の活動について、「スカウツ」、「スカウティング」のような用語に関する独占権を持つわけではないとしている。また、「スカウツBSA」への名称変更によって、ガールスカウトの活動が「主流から排斥される」脅威をもたらし、既に全米の家庭や学校、地域社会で、ガールスカウトはもはや存続していないとか、ボーイスカウトに統合されたと言われるような混乱が起きているとも主張している。
さらにGSUSAだけが、女子のリーダーシップ育成の奉仕活動に関して、ガールスカウトやスカウツの商標を使う権利があり、ボーイスカウトの商標侵害行為は、GSUSAに対し、新たな比類のない損害をもたらすと訴えている。
BSAは声明で、訴訟の内容を精査中であると述べたが、「我々はGSUSAを含め、子供たちの人格とリーダーシップを育成するすべての組織を称賛するとともに、両組織が我々の地域社会において、女子にも男子にも奉仕する機会があると考える。」とコメントした。
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