世界を代表する政治家や実業家が一堂に会して討議する「ダボス会議」の開催で知られ、スイスのジュネーブに本部を置く国際機関「世界経済フォーラム」は17日、毎年発表している世界各国の国際競争力ランキングの2018年版をウェブサイトに掲載した。
今回の調査対象となったのは140の国と地域で、競争力を示す12項目について、98種類の指標を100点満点で評価して比較した。デジタル技術などを利用した革新的なビジネスや、職場におけるダイバーシティなどが、各国の競争力に大きく影響を及ぼすようになったことを踏まえ、指標は大幅に見直されている。
新ランキングによると、日本の総合順位は5位となり、昨年の8位から3つ順位を上げて、過去最高となった。...
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今回の調査対象となったのは140の国と地域で、競争力を示す12項目について、98種類の指標を100点満点で評価して比較した。デジタル技術などを利用した革新的なビジネスや、職場におけるダイバーシティなどが、各国の競争力に大きく影響を及ぼすようになったことを踏まえ、指標は大幅に見直されている。
新ランキングによると、日本の総合順位は5位となり、昨年の8位から3つ順位を上げて、過去最高となった。米国が2008年以来10年ぶりに首位(昨年2位)に返り咲き、2位にはシンガポール(同3位)、3位にはドイツ(同5位)が入り、昨年首位だったスイスが4位となった。近隣アジア地域では、香港が7位(同7位)、韓国が15位(同17位)、中国は28位(同28位)となっており、下位30カ国の殆どはアフリカ諸国だった。
日本はトップ10の中では最も顕著な改善を示したとされており、分野別で「健康」(1位)、航空やインターネット通信などの「インフラ」(5位)、「イノベーション力」(6位)などの面で高い評価を受けたが、企業統治などの「制度」(20位)、「労働市場」(18位)などについては課題とされている。
日本は個別の評価指標では、「一人当たりの特許申請数」(1位)、「GDPに対する研究開発投資」(3位)で高得点を得た一方、「起業に関わる費用と期間」(72, 76位)、「女性の労働参加」(64位)といった労働市場の多様性など、幾つかの指標では評価が低かった。
世界経済フォーラムは、各国別のコメントの中で、日本は既にイノベーションの拠点となっているが、さらに革新力を強化するためには、創造的な思考や起業文化を醸成するシステムが求められると指摘している。
全般的に今回の調査で最も懸念すべき事項の1つとされたのが、イノベーション力の分野に弱点のある国が多いことだった。この分野で強みを発揮しているのは、ドイツ、米国、スイスなどであり、革新的な技術による第4次産業革命への準備ができていない国との格差が生まれているという。
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