現在はテレビを使わずとも、ディバイスへ無限に映画、音楽、テレビ番組がリアルタイムで配信され便利になった。しかしそのネット使用のための電力はどうなっているのだろうか?増々デジタル依存が進み、世界のエネルギー消費に占める割合が増加しているという。
10月11日付英国
『BBC』は「気候変動:ストリーミング配信は環境への脅威なのか?」との見出しで以下のように報道している。
音声ファイルや動画ファイル配信からリアルタイムで好きな動画や音楽を聴くのが簡単になった。これは環境にどのような影響を与えるのか?
ネットで流されるデータ保存には大量のエネルギーが必要で、その需要はデジタルサービスへの依存が高まるにつれ増加一途を辿っている。...
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10月11日付英国
『BBC』は「気候変動:ストリーミング配信は環境への脅威なのか?」との見出しで以下のように報道している。
音声ファイルや動画ファイル配信からリアルタイムで好きな動画や音楽を聴くのが簡単になった。これは環境にどのような影響を与えるのか?
ネットで流されるデータ保存には大量のエネルギーが必要で、その需要はデジタルサービスへの依存が高まるにつれ増加一途を辿っている。エネルギーの一部は、クリーンエネルギーから供給されるものの、大半は、化石燃料由来の二酸化炭素を排出するエネルギー源であり、これは地球温暖化の要因となると考えられている。
グリーンピースのITアナリストゲーリー・クック氏は、デジタルインフラの電源需要増により、気候変動を抑えるのが間に合わないと懸念する。
ネットサーバーやスマホ等ITセクター全体の電力は、既に航空業界の燃料による二酸化炭素排出量と同量程度となっている。 HUAWEIテクノロジーズ(中国IT)のアンドレア氏によると、2030年までにはITセクターは世界の電力の20%を占めるとみられている。
自宅でネットで動画を観るのは、旧式の白熱電球2~3個を使っているのと大体同じ電力量で、また、コンテンツを配信するネットワーク側でもエネルギーが消費される。テクノロジーの需要が増えるということは、膨大な情報を保存したりシェアしたりするためのエネルギーをより必要とすることを意味しており、大きなビル内でコンピュータサーバーを備え、ネット通信を処理したり配信したりするのがデータセンターである。このサーバー自体が大規模な冷却装置が必要となる。世界のネット通信の大部分がこのようなデータセンターを通しており、Netflix, Facebook and YouTube等のストリーミング用プラットフォームを持っている。
これらのデータセンターは現在、世界の年間消費電力の1%(CO2排出量の約0.3%)占めていると見られ、この割合は、今後増加するとみられている。
世界で建てられているデータセンターは今後再生可能エネルギーで賄う必要があると、アンドレ氏はいう。EU諸国のデータセンターでは2014年と比較し、2017年の電力消費量は25%増だった。
デバイスの性能効率などの要素により、視聴毎に、消費電力は異なる可能性がある。多くの人が視聴する地上波テレビの方が、ストリーミングTVチャンネルより、効率がよい。携帯電話は、テレビやラップトップよりエネルギー効率が良く、最も効率がよい。WIFIを使った携帯は3Gより消費電力が少ない。
データーセンター間でも、地下にある等冷却状態によってエネルギー効率が変わる。
国際エネルギー機関(IEA)の最新報告書によると、2020年までに3倍程度にデータセンターの負荷が増しても、サーバーやデータセンターのインフラの効率向上により、電力量は3%の増加に留まるとしている。
大手IT企業の中には、Facebookが新規のシンガポールのデータセンターを100%再生可能エネルギーで賄うとする等環境に配慮した動きがみられる。
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