【Globali】
世界中で、自殺した女性の37%はインド女性(2018/09/15)
9月11日に出版された英国の科学誌、The Lancetによると、自殺した女性の、うち、約3分の1がインド女性であることを明らかにした。この研究成果を出した著者によると、女性の自殺は、公衆の健全性を推し測るうえでの重要な問題点となり、社会、経済、政治および感情面で重要な問題が存在すると主張している。
インドは今や、13億人の人口を数え、世界の人口の17.5%を占めている。自殺した男性も世界中の男性自殺者の25%を占めており、世界の中で高い率を示している。
「インドにおける男女間の不平等」という本の著者、カマラ・マリウス女史は、インドの近代化が、35才以下の既婚女性の自殺を助長していると述べている。その理由として、生活レベルの上昇に伴い、身の回りの世界がより広くなり、他人と比較して自分に足りないものを意識するようになり、悩むようになるためと推測している。...
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インドは今や、13億人の人口を数え、世界の人口の17.5%を占めている。自殺した男性も世界中の男性自殺者の25%を占めており、世界の中で高い率を示している。
「インドにおける男女間の不平等」という本の著者、カマラ・マリウス女史は、インドの近代化が、35才以下の既婚女性の自殺を助長していると述べている。その理由として、生活レベルの上昇に伴い、身の回りの世界がより広くなり、他人と比較して自分に足りないものを意識するようになり、悩むようになるためと推測している。
具体的な女性の自殺原因としては、期待外れの結婚生活が挙げられる。現在でも、20%のインド女性が、15才になるまでに結婚させられる。このことが女性に、大変な孤独状態を体験させ、さらにインドの伝統により義理の父母のところに移り住むこととなり、ストレスの多い生活を余儀なくされる。
さらに、実家の方が娘に持参金を持たせるために生ずる、実家での借金地獄が挙げられる。若い女性の中には、実家へ借金取り立てに脅しがかかるよりは、自分が自殺して実家での金銭のトラブルが発生することを防ぎたいと考えるものもいる。
最後に、女性に対する暴力、特に2012年にニューデリーで起こったような集団暴力が女性の自殺原因となっている。なお、結婚生活における暴力件数は少ないものと見られている。
インドは、憲法上は、男女平等を保証し、法律上は15才以下での女性の結婚や持参金制度は禁止されているが、インドのカースト制共同体社会の伝統的な規則が残っており、インドの女性たちは今も伝統の重みにさいなまれている。インド女性の自殺者の多さは、そのことを如実に物語っている。
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