免疫医学紙に掲載された論文によると、マウスの実験で、ケール、キャベツ、ブロッコリーなどの緑色野菜が消化されるときに活性化されるタンパク質が大腸ガンの予防になると事が分かったという。
8月14日付英国
『Newsweek』は「緑色野菜がガン予防に効くことがマウスの実験で証明された」との見出しで以下のように報道している。
ケール、キャベツ、ブロッコリーなどの野菜には結腸がんを予防する物質が含まれることがマウスの実験で分かった。「免疫」ジャーナルに掲載された論文によると、アブラナ科の野菜を食べたマウスはより健康な腸を持ち、炎症や結腸ガンを発症する率も低かったという。アブラナ科の野菜を消化すると、インドル-3-カルビノール(I3C) が作られる。...
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8月14日付英国
『Newsweek』は「緑色野菜がガン予防に効くことがマウスの実験で証明された」との見出しで以下のように報道している。
ケール、キャベツ、ブロッコリーなどの野菜には結腸がんを予防する物質が含まれることがマウスの実験で分かった。「免疫」ジャーナルに掲載された論文によると、アブラナ科の野菜を食べたマウスはより健康な腸を持ち、炎症や結腸ガンを発症する率も低かったという。アブラナ科の野菜を消化すると、インドル-3-カルビノール(I3C) が作られる。これがアリル炭化水素受容体(Ahレセプター)と呼ばれるたんぱく質を活性化させるため、がん予防効果があるという。このタンパク質は、腸の免疫細胞と上皮細胞に信号を送り、これが腸を消化器官に住むバクテリアによる炎症から守る。
当研究の筆頭著者でフランシスクリック研究所のスティンガー博士は「興味深いことに、既にガン細胞のあるマウスでもI3Cの豊富な食事に変えると、腫瘍が減少したり、良性腫瘍となった。野菜と健康の研究は多くあるが、このような分子レベルの研究は無かった。我々の研究は、どのような物質が腸のバリア機能を高めるのかその機能を分析した。」と述べている。研究チームは、マウスの腸内からガンを抑制するAhレセプターが活性化しないようマウスの遺伝子を組み換え、腸内の炎症や結腸ガンの発症を確認。
一方で、マウスの実験が人と同じ結果となるかは慎重に扱われるべきだとする疫学研究者もいる。食べ物として別のものと合わせられれば単離化合物は別の反応をする可能性もある。
だが、一般に加工肉や赤身の肉を食べると結腸ガンのリスクは上がるとされ、現在のガン予防ガイドラインでは、様々な種類の野菜や果物、全粒粉を摂り、加工肉や赤身の肉の消費を減らす事を推奨している。このような食生活がガンのリスクを減らすだけでなく、循環器疾患や糖尿病のリスクも減らす。
がん研究英国慈善団体のティム・ケイ教授は、この研究は、ブロッコリーやキャベツなどの野菜に含まれる繊維だけでなく、野菜に含まれる分子も大腸ガンのリスクを抑えることが示している。野菜を多く含むヘルシーな食事の大切さが証明されている。」としている。
同日付英国『デイリーメール』は「緑色野菜を食べるもう一つの理由!ケール、キャベツ、ブロッコリーの成分が大腸ガンの予防に」との見出しで以下のように報道している。
緑色野菜が消化されるときに腸の炎症を減らし結腸ガンを予防するタンパク質が活性化されることが分かった。ロンドンのフランシスクリック研究所の研究著者は、「これらの発見は、ガンを増加させる遺伝子ファクターは変えられないが、野菜を多くとる食生活によりそのリスクを減少出来るという希望が生まれる」としている。
「我々は脂肪が多く野菜が少ない西洋的な食事が、直腸がんを促進すると考えることも多く、この研究により、この所見の仕組みが裏付けられた。」という。
「マウスでの実験が終わり、次は人の細胞や人体での検証だ。とりあえずは野菜の量を増やして問題はないでしょう!」と述べている。
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